第四十一話 苦手な事 ページ41
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『スミマセンデシタ』
頭に大きなたんこぶを作ったAは大人しく胡蝶の手当てを受けていた。
「私の仕事を増やさないで下さい」
『ううう』
一方不死川は、目の前で容赦なく叫び声を上げられた為不機嫌である。目が釣り上がり、それを見てAもまた小さく悲鳴をあげる。
「ところで東雲さんは一体どの様な要件で此方に?貴女の診察はもう終わっている筈ですが」
そう、Aはお説教や身知らずの人から殴られる為に蝶屋敷に来たのではない。『そうだった!』と声をあげるAに珍しく不思議そうな顔をする胡蝶。
『何時もお世話になっているので、蝶屋敷の皆さんで食べて下さい!』
そう言って取り出したのは、この辺りで有名な甘味処のお菓子。そしてそれなりにお値段が宜しいのである。
『饅頭とかどら焼きとかその他諸々好きなの食べて下さい!』
「…何か企んでます?」
『胡蝶さんの中で私は一体何なんですか!?何も企んでないですよ!!』
「冗談です」と上品に笑う胡蝶を見て何故か悶えているAを、益々この生き物は何だと思う不死川。
取り敢えず自分の用は済んでいるし、一刻も早くここ(主にA)から逃げたい不死川は、「世話になった」と一言添えて出て行こうとした。
『あ、待って下さい傷だらけの人!!』
「俺の名前は不死川だァ!!」
ぐわっと後ろを振り向けば、自分の方に甘味を持ってきているAの姿。
『いや、あの。先刻失礼な態度取ってしまったのでお詫びにと思いまして。お好きなのをお取り下さい
「現在進行中で失礼だクソがァ!!』
『ごめんなさい!!五文字以上の名前を覚えるのが苦手でいったぁ!?』
又もや一撃を食らうA。此れには胡蝶も庇いきれない。元から庇う気などさらさら無いのだが。
「テメェの詫びなんていらねェんだよ。早く離せくそガキィ」
『ええ!?此処の甘味処とても美味しいですよ!?饅頭とか団子とか!あ、おはぎもありますよ!!』
「おはぎ」に少しばかり反応する不死川だったが、「いらねェ」と一言。
『え、余っても私おはぎいらないんですけど。あんまり好きじゃ無いし』
「…ンだとテメェ」
『へ?あれ?私なんか気に触る事言いました?何でそんなに怒ってぎゃぁぁぁ!?』
"苦手な事"
(何故私はぶたれたんだ…!)
(何故でしょうかねぇ)
(これからあの人の事おはぎ先輩って呼んでやる!)
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ババロア(プロフ) - Regulusさん» Regulusさんコメントありがとうございます!更新速度が遅く申し訳ありません。楽しみに待って下さりありがとうございます(*^^*)更新頑張りますね! (2020年3月29日 22時) (レス) id: a1d52bd2f6 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2020年3月25日 21時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
ババロア(プロフ) - はるさん» はるさんコメントありがとうございます!笑っていただけてとても嬉しいです!更新はばらつきがありますが、見ていただからと嬉しいです!! (2020年3月1日 18時) (レス) id: 1c6ad8268f (このIDを非表示/違反報告)
ババロア(プロフ) - .さん» コメントありがとうございます!!他作も見ていただきありがとうございます!主同士のコラボは中々思いつきませんでした笑 是非やらせていただきたいと思いますので、暫しお待ちくださいませ! (2020年3月1日 18時) (レス) id: 1c6ad8268f (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 読んでいて笑いが止まりません!更新楽しみにしています (2020年3月1日 12時) (レス) id: de479982fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ババロア | 作成日時:2019年12月16日 15時