第二十話 難題と美食家 ページ20
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『いったぁ!?』
ドスンという音がその場に響く。
受け身?そんなもの出来るわけないでしょ!思いっきりお尻ぶつけたわ!てか臭いわここ!
多分床が抜ける仕組みだったのかな?じゃないと綺麗に落ちないよね。
ゆっくりと立ち上がり辺りを見るも真っ暗なので何も見えません。てか本当無理。お化け屋敷とか本当無理なの私!!
カタン
『ひぇ!?』
バッと左右を振り向くも誰も居ないし何も無い。刀を抜いて、ジリジリと前に進む。
あ、わかったぞ。
『勝手に入ってごめんなさい!反省してるので、灯りつけてもらっても良いですか!?』
きっと家に勝手に入ったから怒ってるんだよ!私だって知らない人が家に勝手に入ったら怒るからね!
暫くするとボゥっと灯りがついた。
あ、やっぱり謝ったから許してくれたんだ!
『ありが』
ありがとうと言おうとしたのに、その五文字か出てこなかった。
しょうがないと思うの。だって、私の足元に沢山人が倒れていたから。
『っだ、大丈夫ですか!?』
倒れいる人の体を揺するもピクリともしない。自分の手に血がついてるのを見て、やっとこの人達が死んでいるのを理解した。
そして一番気づきたくなかったのが、彼らの背中に"滅"と書かれていたこと。
(え、この人達皆鬼殺隊の人じゃん!)
自分と同じ隊服を着ている人。
これだけの人がいるのに殺されている。私より強い人達なのかもしれないし、そうではないかもしれない。
(それでもこれはやばいってばぁ!!)
目の前に続く死体の奥に一際明るい部屋が見える。今すぐにでもここを出たいけど、生憎扉がない。選択肢は一つだけ。馬鹿な私にでも分かる。
(鬼を倒して脱出しなさいって、そんな難題出されても)
私にはかなり厳しいと思うのだけれど。
ゆっくりと部屋に近づき、思いっきり襖を開けた。
『え』
大きな部屋の真ん中には、小さな子どもが座っていた。
今まで見てきた鬼とは違い、凄く綺麗だ。
肩までの艶のある黒髪に透き通るような白い肌。
私をじっと見つめる大きくて赤い目は、ここにある全てを吸い込んでしまいそうな程、威圧感があった。
私も負けじと見つめていると、鬼は急に首を傾けた。
『?あ、あの』
「…三日振りのご飯なのに、全然美味しくなさそう」
『何か傷ついた』
"難題と美食家"
(すんごい複雑な気分です)
(鬼にも美味しい美味しくないとかあるんだね)
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ババロア(プロフ) - Regulusさん» Regulusさんコメントありがとうございます!更新速度が遅く申し訳ありません。楽しみに待って下さりありがとうございます(*^^*)更新頑張りますね! (2020年3月29日 22時) (レス) id: a1d52bd2f6 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - 続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2020年3月25日 21時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
ババロア(プロフ) - はるさん» はるさんコメントありがとうございます!笑っていただけてとても嬉しいです!更新はばらつきがありますが、見ていただからと嬉しいです!! (2020年3月1日 18時) (レス) id: 1c6ad8268f (このIDを非表示/違反報告)
ババロア(プロフ) - .さん» コメントありがとうございます!!他作も見ていただきありがとうございます!主同士のコラボは中々思いつきませんでした笑 是非やらせていただきたいと思いますので、暫しお待ちくださいませ! (2020年3月1日 18時) (レス) id: 1c6ad8268f (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 読んでいて笑いが止まりません!更新楽しみにしています (2020年3月1日 12時) (レス) id: de479982fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ババロア | 作成日時:2019年12月16日 15時