緋色の理論 ページ1
「なあシロー、中吉と吉ってどっちの方がいいんだっけ？」
「んあ？確か吉じゃなかったか？」
「そうだね、諸説あるが一般的には吉の方が良い運勢だと言われている」
「あ、アイシャさん。お久しぶりです。」
「アイシャさんもおみくじを引きに？」
「まあ用事のついでだ。それよりも先ほどの話だが、考えてみれば意外とすぐに分かるものだよ。」
「くじの話っスか？」
「ああ、基本的におみくじにおける吉兆のパラメーターは吉か凶の2つだろう？」
「いや、吉兆のパラメーターて。」
「つまり良い運勢なら吉で悪い運勢なら凶という訳だ。」
「そうッスね」
「であるならば、通常の運勢を0とした直線を考えた時に正の方向にある一定進んだ点が吉であり、負の方向に同じだけ進めた点が凶ということになる。」
「…ん？」
「この仮定において中吉を考えたとき、直線上の位置は吉の半分、(吉―0)/2ということになる。」
「ち、ちょっと待って下さい。話がよく…」
「ついでに大吉についても考えてみようか。先ほどの仮定において…」
「すいませんアイシャさん！ちょっと良く分からないッス！」
「おや、では『吉』と『凶』を運勢の良さ或いは悪さの単位と考える説明をしようか。こちらの方が直感的で分かりやすいかも知れない。…一般に単位には接頭語をつけることで幅広い範囲の量を表すことが出来る。SI単位であるmに接頭語m、つまり10^-3をつけることで小さい量を表すと言えば分かりやすいかな？これと同じように吉兆のパラメーターを考えたときに、基本となる単位『吉』に接頭語『中』をつけることでより小さい…」
「アイシャさん！と、とりあえず中吉より吉の方が良いって事は分かりましたんで！」
「ええ、説明ありがとうございました！」
「そうかね、役にたてたのなら幸いだ。」
「因みにアイシャさんのくじはどうでした？」
「私か？私は…吉兆とは占うものではなくつかみとるものだと思っているよ。」
「「ふ、深ぇ…」」
「お邪魔したね、ではまた。」
そう言い残したアイシャは手にしたくじを木に括りつけてから去っていった。
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ブルードラゴン(プロフ) - はっ、つい願望が…でも筆者は日常生活でアイシャさんならどう考えるかなっていうことはよく考えたりします。今回の「テセウスの船」は（「緋色の理論」もそうですが）そんな願望を形にしたものになっております〜 (2021年11月21日 2時) (
レス) id: 6a15ead48d (このIDを非表示/違反報告)
ブルードラゴン(プロフ) - 今回追加した「テセウスの船」は有名なパラドックスをテーマにしたお話です。やっぱりアイシャさんにはこういう難しい問題を考えて欲しいと思いまして…っていうか私もアイシャさんと議論してみたい！難しいことを優しく教えて欲しい…（遺言） (2021年11月21日 2時) (レス) id: 6a15ead48d (このIDを非表示/違反報告)
ブルードラゴン(プロフ) - どうも、ブルードラゴンです！ふと思い立ったのでここを短編集にすることにしました！不定期に更新するので気長に待って下さると幸いです！ (2021年11月21日 2時) (レス) id: 6a15ead48d (このIDを非表示/違反報告)
ブルードラゴン(プロフ) - 内容についてなんですが、おみくじの吉兆の順番は諸説あるので参考程度にお読み下さい（）ところでアイシャさんが引いたおみくじの結果はどうだったんでしょうか？最後の1文から分かるかも知れませんね (2021年10月30日 1時) (レス) id: ec89326c97 (このIDを非表示/違反報告)
ブルードラゴン(プロフ) - どうも、ブルードラゴンです！今回はアイシャとシロクロのお話を書いてみました！…いや、実はこれ今年の正月に別のところで書いたSSをこっちでもあげようかと思って持ってきたやつなんです…季節感ないけどごめんなさい… (2021年10月30日 1時) (レス) id: ec89326c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブルードラゴン | 作成日時：2021年10月30日 1時
