無茶 ページ29
『うぅっ...ぐぁっ!!』
平日の昼間
いつも通り授業に参加できないほどに入れられた任務をこなしていたのだが、今日の任務は今までより格段に多かった
日も出たばかりの早朝から駆り出され、終わったと思ったら追加、追加、追加...
それだけでなく、昨晩は月の出ない日、つまり新月だったため月光の力を蓄えることができなかったのだ
だから朝から、術式は”梟”が使えるか使えないかくらい
しかも雲一つない快晴の為、ギラギラと輝く太陽が湖羽の体力をゴリゴリと削っていく
チャクラムを両手に構え対応しているのだが、今回の呪霊は速い
速さだけにすべてを注いだようなものなので、呪力などは低そうだ
だが朝から夕方までずっと動きっぱなし、ただでさえ嫌いな日差しは特段に強く、さらには”梟眼”も使えない、月光の蓄えもない
そのおかげで少し動いただけで眩暈がしてきた湖羽には、その呪霊は追い切れるものではなかった
『ま、待てっ、もうなんで今日に限って...!!!』
追い込まれてしまった湖羽には周りを見回す余裕もないようだ
背後から忍び寄る別の呪霊にも気づかず、背中を抉るような攻撃を受け、出血多量も相まって気絶してしまった
「...命は?」
「関わってないけど、大分疲労が溜まっていたらしい。」
「...そっ。」
湖羽が運ばれたと聞き、慌てて保健室へ飛び込んできたのは同級生の三人
いつもより小さな声で問う家入に冷静に返す夏油
湖羽が寝ているベッドの近くにいる二人の後ろには、俯いて表情の伺えない五条が拳を握って立っていた
「...今日こいつ、何時に出てった?」
「見てないな。」
「起きたときにはいなかったと思う。」
薄々、というか入学当時からずっと可笑しいとは思っていた
だが彼女自身が何も言わないならば気づいていないふりをしようか、そう考えていたのだ
彼女の疲れが少しでも休まるように、いつも通りに、と
しかし、こうなってしまっては気づいていない、なんて言えないし言いたくない
というか言わせない
「...こいつが特級だからか?」
「主な部分はそこだろうね、今特級呪術師は二人しか存在しない。しかももう一人は海外を放浪中...となれば頼れる特級は残り一人。」
視線はベッドの上へ注がれる
顔を赤くして息切れし、体の至るところには包帯が巻かれている
「...クソッ!」
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紫水(プロフ) - プスメラさん» 応援のコメントありがとうございます。展開についてお話することは出来ませんが、これからも頑張らせていただきます! (2021年1月25日 16時) (レス) id: daf4abea6a (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - 紫水さん初めまして、この小説は五条悟オチですか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月25日 8時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫水 | 作成日時:2021年1月23日 15時