知佳という女 2 ページ16
「呪詛師？違うよ、私たちは呪術師だ。」
睨み気味に聞いてくる興梠に驚いたが、落ち着いた夏油が尋ねる
『もしや興梠さん、見える側？』
「そうだよ、な〜んだ呪術師なんだったら緊張して損した〜！見えない人らなら隠さなきゃって思ったんだけど〜。」
肩の力を抜き、息を深く吐く興梠
制服を見ても先に”呪詛師”という名前を出したのであれば、彼女は呪術高専の存在を知らないのであろう
となれば、”呪術師”や”呪詛師”、”呪霊”という存在を知っている見えるだけの一般人なのかもしれない
「呪詛師ってなんで知ってんだよ、見えるだけの一般人だろ？」
「アタシは、ね。アタシの両親が呪術師、術式ってやつ受け継げなかったから一般人なの。」
「ふ〜ん？」
観念したように彼女が言うが、五条の返事は興味がなさそうだ
だが、今までの陽気な表情とは一変し神妙な表情になった興梠は重々しく口を開いた
「...ねぇ、アンタら呪術師ならさ。三守っちの仇取ってよ。
通れないって、猫とかじゃなくってあそこには見える側にしか発動しない、変な壁みたいのがあんの。
噂ってのはそれを面白可笑しくしてる奴だよ。
”西に橙色、東に紫色の夕暮れ時、あの抜け道で音を出せば神隠しされる”
音を出せば、じゃない。見える側が壁に触れればが本当のことだよ、三守っちはそれに触ったんだよ、多分だけど絶対そう！」
今にも立ち上がりそうなほど前のめりになって話していたが、少し落ち着くと背もたれにもたれかかり再び話始める
「美男美女だからおまけしてあげる。
アタシのパパとママは呪詛師ってやつに殺された。多分二級？か準一級？ってやつとか言っていた。
どーしても真相が知りたかったから、いろんなとこに押し掛けた。でもさ、呪霊を祓えない一般人が何の用だって、幻覚でも見てんじゃないかって笑われたの。
おかしいよね、娘が親の死を調べんのってそんな可笑しいことなの？パパとママしかアタシが見えるって理解してくれなかった、だから大好きだった。愛してる。
行く当てもないし親戚にも嫌がられたアタシを拾ってくれたのは三守っちなの。三守っちも見える側だから理解してくれたんだよ。でも、”あいつら”はアタシから全部奪う。三守っちもいなくなった。
もう、アタシに居場所なんて...」
上を向き、涙を溢さないように話す
『...私が仇を取る、取るから一つだけお願い聞いて。』
「！！」
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紫水(プロフ) - プスメラさん» 応援のコメントありがとうございます。展開についてお話することは出来ませんが、これからも頑張らせていただきます！ (2021年1月25日 16時) (
レス) id: daf4abea6a (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - 紫水さん初めまして、この小説は五条悟オチですか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月25日 8時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫水 | 作成日時：2021年1月23日 15時
