神に拉致られて、コロイカの世界に転生してしまいました()【コロイカ】

最終回 ページ39

【主視点】

『はぁっ！』


次に目が覚めたのは病院だった。そばにいたお母さんが、泣きながら私に抱き着く。

「よかった…！このまま目が覚めなかったらどうしようかと…！」

『お、お母さん！私、どうしてここに！？』

「あなたが部屋で倒れてるのを見つけてね。急いで病院に運んだんだけど、昏睡状態だったの。期間は……二か月くらいだったかしら」

『そんなに長くない…のか？』

「長いわよ！」


そうか…私があっちの世界にいる間は、この世界では二か月がたっていたのかぁ。実感できないほどの時間が流れていたとは。

『……』


あっちの世界の記憶はしっかり残ってる。グレンのことも、グローブ君の事も。グローブ君は、私のこと、覚えててくれるかな……？


――――――
【not視点】


グローブ「……はっ」


今一瞬だけ光が見えて、意識がボーっとしてたけど、なんとか我に返る。


グローブ「あれ、なんだろうこのイカンカン…俺こんなの持ってたかな…」


ふと手元を見ていると、身に覚えのないギアが。記憶にはないはずなのに、どこか知っているような、知らないような……。良く分からない感覚が頭の中でグルグル回る。

グローブ「だ、誰だっけ……？うーん……」


脳みそを絞りながら考える。とても大切なだれかに贈ったものだったと思う。だけど、なぜ自分が持っているのか。考えれば考えるほど分からなくなる。


ゴーグル「グローブくーん！！」

グローブ「あ、ゴーグル君」

ゴーグル「何してたの？あ、そのギアカッコいいじゃん！買ったの？」

グローブ「えっとこれは……、いや、そうだよ。クールでしょ？」


突然のゴーグルの登場に、どう説明しようかと思ったが、これは自分が買ったものに間違いないと、その時点ではそう思えた。


グローブ「ちょっとしたプレゼントだよ」

ゴーグル「そうなんだ！誰にあげるの？」

グローブ「……ナイショさ」


そう言いゴーグルに対して見せた笑顔は非常に優しく、それでいて寂しそうだった。



















グローブ「絶対に忘れないよ……Aちゃん」




終わり

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