中の”誰か” ページ28
【主視点】
「こちらのゴンドラへどうぞ〜」
そう言われて私達は中へ入る。私達を乗せたゴンドラはゆっくりと上へ上へ上昇していく。それと同時に景色もゆっくり動いていく。
『綺麗……』
中から見える景色は、ストリートの明かりがポウッと淡く光り、夕暮れの太陽がまぶしいくらいだ。
グローブ「今日はこれを君に見せたくてここに来たんだ」
『嬉しい。ありがとう……!』
グローブ「あとさ、君に言いたいことがあるんだ」
『言いたいこと?なぁに?』
私がそう返事すると、グローブ君は私の方を向きなおして、真剣な顔でこちらを見ている。一体何だろうと思い私も見つめ返す。
グローブ「Aちゃん。君が好きだ」
『えっ……』
ええええ!?ここで告白!?しかも私に!?……いやいや落ち着け私。ここでこの告白をYESと言うかNOというかを考えるんだ……。
もしここでYESと言えばどうなる?晴れて私はグローブ君の彼女と言うレアすぎる称号を手に入れることになるが、その後はどうしたらいいんだ???
だがNOと言うのは気が引ける。私の最推しぞ??悲しんでる顔をリアルで見るのは泣くぞ?
グローブ「返事を……聞かせて欲しい、な……」
私はどうすればいいの!?そう混乱する頭の中で考えていると、ズキッと鋭い痛みが襲ってきた。
『うっ、うぅ……!!』
グローブ「ど、どうしたの!?」
『あ、頭が……痛い!』
割れるような痛みの中で、聞き覚えのある声が聞こえてきた。憎たらしくて耳を引きちぎりたくなるほどの声。
「Aちゃん」
『この声……グレン……?((小声』
あいつの声を聞いた瞬間、電源を引っこ抜かれたように意識を失った。
――――――
【グローブ視点】
グローブ「Aちゃん!?Aちゃん!!」
目の前でAちゃんが倒れてしまった。ゴンドラはちょうど頂上に着きゆっくりと下っている。彼女の体を揺らしながら懸命に名前を呼び続けると、目が覚めたのか、ゆっくりと上半身を起こした。
グローブ「Aちゃん!よかっ……た……」
「あはは。やっと君に会えたね。グローブ君」
目が覚めたAちゃん……いや、彼女の体にいる”誰か”が俺にそう話しかけてくる。
グローブ「君、Aちゃんじゃないよね。誰?」
「ギルから話は聞いてるでしょ?」
グローブ「てことは、君が悪魔?」
「そうだよ〜」
グローブ「……Aちゃんをどうするつもり?」
続く
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Mr A - すごく面白い!!!! (2021年4月15日 16時) (レス) id: 78d93eae12 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - 好きです!お願いします、頑張ってください!楽しみにしてますので! (2021年1月31日 13時) (レス) id: 1f65b2d6f9 (このIDを非表示/違反報告)
爾来ちゃん(プロフ) - 燐舞音さん» アッ……ありがとうございます!え、私の推しですか!?基本的には箱推しなんですが、強いて言うならテニスバンドくんやライダーくんが好きです……^^応援ありがとうございます!!! (2020年10月2日 16時) (レス) id: e4c44997e1 (このIDを非表示/違反報告)
燐舞音 - えと...めっちゃ好きです(語彙力皆無)主様の推しって誰ですか?私はヴィンテージ君推しです(聞いてない)コロイカの小説少なかったのでめっちゃ嬉しいです!!更新頑張って下さい!!応援してます(´˘`*) (2020年9月30日 23時) (レス) id: bbd2472aaf (このIDを非表示/違反報告)
爾来ちゃん(プロフ) - 梅雨さん» ありがとうございます!! (2020年9月22日 15時) (レス) id: e4c44997e1 (このIDを非表示/違反報告)
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