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『ラルス？』
夜
厨房で明日のための仕込みをしていたら料理長がヒョコっと顔を覗かせた
お風呂上がりなのか少し髪が濡れている
「なんです？」
『喉乾いたから水でもって思ってきたらラルスがいたから。明日の？』
「はい。どこぞの五歳児が明日はアップルパイが食べたいとリクエストしてきたので」
『……あんの馬鹿総統……』
そう言う料理長の姿が書記長とかぶる
『ラルスもずっと休みない状態だし、あと引き継ぐから、もう休んでいいよ』
「あっ、大丈夫です。片付けだけなんで」
『……そっか』
言い方を間違えたか？
寂しそうに目が少し潤んでいるように見えた
『…………かえって邪魔しちゃったかな？ごめんね。もう部屋に戻るね』
少し悲しそうに笑う料理長を見て少し……胸が締め付けられた
ーーー絶対に言わない
これだけは絶対に伝えてはいけない
そう……思っていたのに
「…………もう少しで終わるので、ちょっと待っててもらえますか？」
『へ？なんで？』
まだ、少し目が揺れている
ああ、そんな顔をさせたいわけじゃない
ただ俺は
「ちょっと飲みたい気分なんで愚痴に付き合ってもらえますか？」
『……ふふっそういうことなら喜んで』
そう
俺が見たいのはこの人の笑顔だ
悲しい顔が見たいわけじゃない
この人が笑っていられるよう
やっぱり何も言わずこのままが一番良いはずだ
それから少しだけ話をした
惚気話もいっぱい聞いた
ああ、やっぱりこの人はあの人の事をこんなにも好きなんだな
そう思った
パーティーで出すのはやっぱり
甘い甘いチョコレートケーキだな
二人の甘い空気にも負けないくらいのを作らなきゃな
「俺は料理長の事が好きでしたよ」
そんなことが軽く言えるような日がいつかくるのだろうか？
その日までは
この気持ちに蓋をしよう
この笑顔を見るために
『でね、お兄ちゃんそのまま会議室に行っちゃって。良い笑顔だったから絶対に何かするって思ったんだけど……』
「何となく察しがつきました」
『一緒に外交に行ってた二人の分まで各々の席に書類を置いたらしいよ』
「あの人が調べたことでしょう？しかもその後数日休みになりましたよね？」
『その時の誰に聞いてもどんなのだったのか教えてくれないの』
まあ、普通は自分の黒歴史を言おうとは誰も思わんよな……
『でも、それから誰も邪魔しなくなったから私としては良かったかな』
そう言う貴女の笑顔が本当に幸せそうで
伝えなくて良かったと思った
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白ごま(プロフ) - 亜葵さん» あわわわっコメントありがとうございます（泣）面白いって言ってもらえるなんてそんな……ふぇ？良作ですか？んんんんんっそう言ってもらえるなんて本当に恐縮です（泣）ありがとうございます（泣）(語彙力どこいった？ (2021年4月26日 4時) (
レス) id: bba1a3ae28 (このIDを非表示/違反報告)
亜葵(プロフ) - 初コメ失礼します！面白かったです...！！素晴らしい......良作.........と思いました...(語彙力) (2021年4月25日 23時) (レス) id: 61f24077cd (このIDを非表示/違反報告)
ReiHeta(プロフ) - 白ごまさん» 楽しみに待ってる(*^^*) (2021年4月9日 21時) (レス) id: c3bc9cbe67 (このIDを非表示/違反報告)
白ごま(プロフ) - ReiHetaさん» 駆け足で書いたのであまり話がまとまってないんですよね(^.^; 実は別に短編で書いていたのですがあきらかに間に合わないので慌ててこっちに書いたんです。なので短編のはまだ書きかけのまま。ぼちぼちそれは仕上げますね(^^) (2021年4月9日 21時) (レス) id: bba1a3ae28 (このIDを非表示/違反報告)
ReiHeta(プロフ) - 白ごまさん» 記念日小説お疲れ様です (2021年4月9日 14時) (レス) id: c3bc9cbe67 (このIDを非表示/違反報告)
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