【wrwrd】【ut】妹が捕まってたんですが？【３】

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光が強くて目が開けられない
まだあの夢の中なのか
それとも別のところなのか

あの時感じた痛みはおそらく注射だと思う
だったらあのまま捕まったのか……

でも、ちゃんと手当してある
それにこの感じ……匂いもそうやけどこの存在感、独特の空気

ああ……


「グルちゃん？」

「ん？起きたのか」

「なんで？」

「当然だろう」

何を今更みたいに言われた

でもなんで？

だって僕…

「敵を欺くにはまず味方からと言うからな」

流石だな。お前らしい作戦だな

違うよ
違うよ
だって僕、本当にみんなの事……


「お前が助けてくれと言ったんだ。俺達と一緒にいたいと言ったんだ。仲間が助けを求めているのに動かないやつがいるか？」

……だって

「今は皆が例の組織を潰している。もうお前のような思いをするやつはいなくなるさ」

そのために色々と強化しないといけないな
やってくれるだろう？
鬱先生

「……僕がするにはえらい大変な仕事やない？」

「そうか？お前なら出来るだろう？」

「……」

光に目が慣れて周りの情報が入ってくる
ベッドの近くの椅子に座るグルッペン
いつもの不敵な笑み
自信満々なその顔

ずっと右手が動かんなって思ってたら僕の手を握り眠る愛しき人

ああ

僕は簡単にこれから逃げようとしたんや
捨てようとしたんや

なんて愚かなんやろう

本当に

「…屑やな」

「ん？」

「本当に僕は屑やわ。馬鹿で阿呆で屑やわ」

「鬱先生？」

「ここやのに……ここしかないのに……僕の居場所はここやのに…」

「……そうだな。お前は、鬱先生は我々国の幹部だ。そして俺達の仲間だ」

それは今もだ

ああ
本当になんて愚かやったんやろう


「……けどちゃんに怒られるな…」

「ひとらん先生だけじゃないぞ!皆から怒られると覚悟しておくのだな」

……逃げてもいい？

ダメだぞ

……はい

「そういえばグルちゃんとAだけ？ここにおるの」

「そうだな。しんぺいも兄さんもあちらに行ったからな」

その二人も？

「ちなみにここには俺らだけじゃない」

「ん？」


「ああ、鬱君起きたんだね」

白衣で狐面の男性
クラレ先生がそこにいた

「なんで？」

「僕たちだからね。君たちを助けたの」

たち？

「ああ、あそこにいた鬱先生を見つけたのはチーノだ。だがあいつもお前共々捕まりそうになってな、クラレ先生とナタリー氏が助けてくれたんだ」

「……は!?」

勢いで体を起こし視界が歪みまた倒れ込む


「……やるのか？」



当たり前ですやん！

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