130話 ページ31
そんな訳で職場体験当日。
「コスチューム持ったな」
相澤先生が駅まで付き添ってくれた。
「常闇くんも職場体験先一緒でしたよね」
「ああ、1つの事務所につき２票入れれるらしいな」
「新幹線のホームいきましょう」
こうして新幹線で福岡に向かった。そういえば弔くんが言ってたな、仲間に入れたい奴がいるって。
「今やニュースで取り上げられない日はないコイツ、先生が仲間に入れた方がいいってさ」
「この人…弔くんが良いのなら私は良いですけど…」
そう言いながらその人物の出ているニュースを見てた。インゲニウム、飯田くんのお兄さんが再起不能にさせられたってニュースもやってたな…体育祭明けから見る飯田くんは皆に見せる表情はいつも通りのようだったけど、目に映るものは憎しみや憎悪。この職場体験中事故なんて起こらないといいけど…。
「還現地、もう少しで目的の駅だ」
「はい！」
『次は博多駅〜お降りの方は……』
コスチュームや荷物を持って新幹線を降りた。
「やーやー長旅お疲れ様、2人とも」
「ホークスだー！」
「きゃーホークス！」
「とても人気ですね」
辺りの人達が黄色い声を上げる。
「還現地さんと常闇くんだよね、とりあえず事務所に案内しするけんね」
「はい！」「御意」
こうして私たちの職場体験が始まった。
「2人のヒーロー名は決まってる？」
「ツクヨミです」
「リダクションです」
「じゃあツクヨミ、リダクション、1週間よろしくね」
「「よろしくお願いします」」
ウィングヒーローホークスは若さと人気NO.3というだけもあって顔が良い。そして速い男と呼ばれるだけあって、同行しているパトロールではものすごいスピードで事件や小競り合いを解決していく。速すぎる。
「これ、私達必要なんですかね」
「完庭那のバーで客暴れてるらしいから次そこで！自己紹介よろしくお願いしまーす」
サイドキック達と私たちは後ろから付いてきて事後処理しているだけ。
「オレらはほぼ後始末係ね、ホークスははやすぎるもん」
ゼエゼエと後ろから常闇くんが追い付いてきた。なんか福岡まで来てあと始末係ってなんだろう…確かにサイドキック経験は必要なんだと思うけど、彼の場合本当に事後処理。
「く〜〜〜なんだかムカつきますね」
「……そうだな」
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作者名：夢乃雲 | 作成日時：2020年1月20日 17時
