125話 ページ26
と言ったものの、ヒーローを目指してないの三回戦まで来てしまったな〜…。次に勝己くんと切島くんの試合、その次に焦凍くんと飯田くん、またその次に…私。指折りしながら数えてみると意外と早い。とりあえず私の相手がどちらかちゃんと試合を見ないと！
「わふっす、すみません…」
人にぶつかって転んでしまった。指折りしていて前を見ていなかったせいで人に気づけなかった。
「いいよいいよ、気にしなくて。怪我してない？」
その人は優しく手を差し伸べてくれた。何故私の方が倒れたのか謎なくらいガリガリに痩せた金髪の男性で、先程保健室出張所の近くにいた、それ以外で見覚えのあるような人。
「怪我はありません、大丈夫です」
手を取って立ち上がる。
「君、さっき勝ってよね。三回戦進出おめでとう」
「ありがとうございます」
オール、マイトだ…何故そう思ったのかわからないけど直感としか言えない。けど、
「…そんな貴方は先程保健室出張所の近くにいましたよね」
「リカバリーガールに用事があってね」
嘘だ。リカバリーガールではなく、緑谷くんの様子を見に行っていたんだ。
「そうで、したか…ぶつかってすみません。私は控え室に行きます」
「三回戦も頑張ってね」
今はこれ以上喋っていると何か口を滑らせそうだからいい、それに確証がある訳でもない。とりあえず落ち着いて今の試合を見てから控え室に行こう。
「死ねえ！！！」
会場が見える位置に移動すると、勝己くんが切島くんを倒していた。
『これでベスト4出揃った！！』
あ、私もそのベスト4か…なんか来るとこまで来てしまった気分。相手は勝己くんか…勝己くんには勝てるかわからない、けど楽しみで仕方ない。
「お茶でも飲んで待ちますか…」
控え室に来てとりあえずペットボトルのお茶を飲む。そして誰もいない控え室なので堂々と体に治癒をする。
『飯田行動不能！轟、炎を見せず決勝進出だ！』
「やっぱり焦凍くんが勝ちましたね」
三回戦の決着が着いたから、私も移動しよう。
『どちらもこれまでの種目の順位は優秀！還現地は三回戦唯一の女子だ！還現地A対爆豪勝己！！スタート！』
「勝己くんなら手加減無しでいけそうです…！」
「そうかよ！！」
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作者名：夢乃雲 | 作成日時：2020年1月20日 17時
