【敵連合】私は敵連合の…【3】 (ページ16)

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115話ページ16

勝ち？どういうこと？

「ああ緑谷折角忠告したってのに！！」
「どういうことですか尾白くん！」
『オイオイどうした大事な緒戦だ盛り上げてくれよ！？緑谷開始早々ーーーー完全停止！？』

これが彼の個性？

「デクくん…！？」
『全っっっっっっっ然目立ってなかったけど彼、ひょっとしてやべえ奴なのか！？』

会場が一気に盛り上がる。

「あいつの個性は洗脳みたいで、あいつの応答に応えると操られてしまうんだ」
「もしかして騎馬戦の時にそれをされて…」
「そういうことだ」
「そんな…」

そんな素晴らしい個性が普通科にいるなんて面白い！これはリザルトを堂々と狙いに来てるとA組に宣言しにくるだけはあるな。確か…心操人使くん。

「振りむいてそのまま場外まで歩いていけ」
『ああーーー！緑谷！ジュージュン！』

くるりと心操くんの反対を向いて場外へ歩き始める緑谷くん。このまま行ってしまったら場外へ出てしまう。なんだか面白くないな。あのオールマイトの後継者なのに、こんなに、こんなにあっさりと終わってしまうんだ。つまんない。

「こんな“個性”でも夢見ちゃうんだよ。さァ負けてくれ」

バキと骨が折れるような音から風圧が起こる。

「っ……！！！ハア！ハア…！」
『緑谷！！とどまったああ！！？』
「すげえ…無茶を…！」

指が折れている…個性を暴発させて洗脳を解いたのか。悪くない。前言撤回、面白くなってきたかも。

「何で…体の自由はきかないハズだ、何したんだ！」

また口を開かせる為に心操くんは挑発をし始める。

「指動かすだけでそんな威力か、羨ましいよ」

個性、スタート、恵まれた、誂え向きの“個性”。とても自分の個性にコンプレックスを持っているような…確かに洗脳なんて個性を持っていたら周りから良い目で見られた事なんてないだろう。酷い時には…犯罪者、敵向きの個性、なんて言われるかもしれない。それに、無個性だった緑谷出久にもこの言葉は痛い程わかると思う。だけどその言葉をなんとか無視しながら心操くんに立ち向かう。

「なんか言えよ！」
「あああ！」