【敵連合】私は敵連合の… (ページ44)

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43話ページ44

「イチョウが綺麗だな～」

イチョウが沢山舞っている道をお使いが終わったので散歩がてら歩いていた。近頃取り引きする物が多くて黒霧さんも忙しいので、お手伝いすることになった。主にロッカーに荷物を置くだけだったか運ぶ仕事で難しくもないし、その後外で欲しい物を買ってきてもいいとお小遣いも渡された。でも黒霧さんはやはり過保護で、風邪をひかないように上着を着せられた。

「本屋さんとか服屋さんも見たいなあ」

近くのデパートに行って数冊の本と服屋で服を買って両手を荷物で塞がれたままBARへ戻った。

「沢山買ったな」
「面白そうな本とか沢山あったんですよ！あと、服も自分で見るの楽しかったです」
「そうか」
「これ、弔くんにも買ってきました」

服屋のロゴが書かれた袋を渡すと、弔くんは袋の中から入っていた物を取り出した。

「パーカー？」
「そうです！弔くんいつも同じ服なので、何かないかを探しました」
「ふーん…」
「ふふっフリーサイズの黒だから着やすいと思います」

翌日BARに行くと、カウンター席に座る弔くんはパーカーを着ているのを見て少し感動に似た感情が湧いた。

「着てくれたんですね！」
「Aがくれたからな」

ハンと鼻で笑ってちょっとドヤ顔されてしまった。

「ふふっサイズ合ってて良かったです！今度一緒に服買いに行きませんか弔くん」
「そうだな…」
「やったー！」

嬉しさで飛び跳ねると、弔くんは両腕を開いた。

「どうしたんですか？」
「こっちこいよ」
「そういうことでしたか」

私は弔くんに近づいて膝に座って腕の中に入ると、腕を回された。新品の服と弔くんの匂いが混じっている。

「少し大きくなったな」
「も、もしかして私…おっ重く、なりましたか？」
「いや、そういう意味じゃねえよ…なんか背が伸びた気がする」
「そうですか？」

ぽかぽかする、弔くんが近いせいかな？そういえばここにきてもう半年が過ぎるのか…。