【敵連合】私は敵連合の… (ページ42)

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41話ページ42

エッヘンと両手を腰に当てると、

「…Aって料理出来んの？」
「く、黒霧さんが毎日作るから作らないだけで、私だって実験とかするので出来るはずです！」
「おいおい実験って今言わなかったか…」
「楽しみに待っててくださいね弔くん！」

私はそのまま部屋を飛び出てキッチンへ向かった。

「お米と水を土鍋に入れる！」

ちゃんと測ったものを土鍋に入れて火をつけた。

「煮だってきたから、溶いた卵を入れて混ぜる…」

卵を混ぜて火を消してからおぼんに土鍋と器にレンゲ、水と薬を乗せて、弔くんの部屋に向かった。

「どうですか？見た目は綺麗でしょう」

そうドヤ顔をすると、

「出来の良さは見た目だけかよ…」
「ちっ違いますよ！ちゃんと美味しいはずですよ…味見はしてないけど」
「まじかよ…」
「温かいうちに早く弔くんに持ってきたかったので…」

やっぱり味見して確認してから来るべきだったかとシュンとしていたら、

「いいから早く寄越せよ」
「いいんですか！？」
「…折角Aが作ってくれたしな」
「！！」

せっせと土鍋から器に移した。

「ど、どうぞ…」

器とレンゲを渡そうとした。少し黙って弔くんがこっちを見て、

「…こっちは病人だぞ？一人じゃ食べれないんだけど」
「あ、そうでしたか。すみません」

弔くんはこういう人だったことを毎回忘れてしまう。

「ちゃんと冷ましてくれよ」
「わかりました」

レンゲでお粥を掬い、フーフーと少し冷ましてから弔くんの口に運ぶ。

「ん…まあまあかな」
「もっと美味しくなれるようがんばりますね！」

まあまあと言いながらも弔くんはお粥を全て食べてくれた。薬と水を手渡した。

「片付けしてきますね」

持ってきた土鍋など全てキッチンへ持って行って洗った。

「あっ体温測らなきゃ」

治癒をしても今の段階の私の力では体の熱は一気に下がる訳では無い。なので体温確認は大事だ。もっと個性の精度を上げなければ…。

「38.4度、下がってきましたね」
「A、タオルくれ」
「あ、はい」

部屋にはないタオルを取りに行って戻ってきた。よく見ると弔くんは熱のせいで汗を沢山かいていて、服も湿っていた。タオルをとりあえず渡し、

「着替えた方がいいんじゃないですか？」
「じゃあ着替えも」

着替えをタンスから出した。弔くんはベッドに座って顔を拭いていた。

「ここに置きますね」
「あァ」

弔くんの隣に着替えを置いた。その時、弔くんは上のインナーを脱ぎ始めた。