[暗殺教室] 眠れる君へ。[赤羽業] (ページ20)

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fiftyfour ページ20

「うわ、結構種類あるね」

驚きの声をあげながら
コンビニのアイスボックスを覗く。

ゆきんこ大福にもきなこ味やチョコクッキー味など、興味をそそられるものが多々ある。

「せんせー選んでていいよ。
僕はイチゴ煮オレ見てくるね」

ぺったりとガラスに張り付いているせんせーに一声残してからジュースの棚に行く。

どれにしようか、と悩んでいる殺せんせーの声がこちらまで聞こえてきた。

カルマ君が好きなイチゴ煮オレは、一つも売れないままずらりと棚に並んでいる。

それはそうか。

あんなゲテモノを好む人は彼以外に出会ったことがない。

「……たくさん買っとこう」

きっと売り切れることはないと思うが、

一つより二つ、二つより三つの方がカルマ君も喜ぶと思って少し奮発してみる。

もっとも、彼ならイチゴ煮オレのストックが家の冷蔵庫にたくさんあるだろうが。

*

「せんせー、決まった？」

「ん〜、せんせーはやっぱり普通のやつが一番です！」

そう言って赤いパッケージをこちらに向ける。

触手の黄色に映えた赤色が目に痛かった。

「じゃあ買おっか、割り勘だよ」

せんせーの手からアイスを受け取ってレジに向かう。

手に伝わるひやりとした感触が心地よい。

「……それはまた、たくさん買いましたね〜」

籠に入ったイチゴ煮オレ見て、ニヤリとしながら僕に言う。

「……まぁね。いっぱいあった方がカルマ君喜ぶでしょ」

僕もへらりと笑うと、

美しい友情愛ですね！

と頭に触手をのせた。