[暗殺教室] 眠れる君へ。[赤羽業] (ページ18)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:49,904 hit

fiftytwo ページ18

「……渚くん、今日は帰りましょうか」

少し長かった説明が終わって今は午後1時過ぎ。

僕はカルマ君と話してから帰ろうと思っていた。

それなのに殺せんせーはもう帰ろうと告げる。

「でも、」

─まだカルマ君と話したいよ。

そう続けることを許さなかった。

相変わらずの表情からは感情は読み取れないが、

空気が言ってはいけないと警告を示している。

「………はい」

「カルマ君とは、また明日ゆっくり話しましょう」

雰囲気はぴりぴりとしているのにやけに優しい声色に少しだけ胸がもやついた。

「せんせー、お腹減っちゃいました。

売店で何か買っていきますか？」

「いいけど…せんせー、お金足りるの？」

そういえばお腹が空いたなぁ、と財布の中を確認すると千円札が2枚。

万が一せんせーがお金を持っていなくても、
少しなら買ってあげることができる。

生徒が先生に奢るというのもどうかと思うが。

「にゅやっ！？
渚くん、せんせーを馬鹿にしていますね！？
五百円くらいならありますよ！」

触手に五百円玉をのせてドヤ顔をするせんせー。
ワンコインあるならそこそこのものが食べれるだろう。

「ハンバーグ食べたいな」

ぽつりと呟くと、

「せんせーは唐揚げの気分ですね〜」

とスキップで売店に向かう。

「渚くんのハンバーグとせんせーの唐揚げ、半分こしましょう！」

僕がハンバーグを食べることを前提としているし、

ハンバーグと唐揚げでは明らかに値段が違う。

それでも『誰かと半分こ』ができるお昼ご飯がすごく久しぶりだったから

思わず頷いてしまった。