[暗殺教室] 眠れる君へ。[赤羽業] (ページ1)

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なんだか酷く悲しいドラマでも見ているようだった。

あのあと僕は、案外冷静に救急車を呼んでいたらしい。
その付き添いとして、今この病院にいるのだが、何がなにやらまったく理解できていない。

いつの間にか下手くそな変装をした殺せんせーも僕の隣にいた。
そこまでの記憶は、もう既に曖昧だった。

色々と覚えていない時点で、冷静では無かったのかもしれないが。

それでも尚、ストレッチャーで運ばれて行ったカルマ君の顔が、脳裏にこびり付いて離れなかった。

「大丈夫ですよ、渚君。
睡眠薬の大量摂取で死ぬ確率は極めて低いです。」
ふわりと、高くもなく低くもなく不思議な音程の声が静かに響く。

「ですが...」

掴みどころのないせんせーの顔が少しだけ歪んだ。
この先は聞かなくていい気がした。聞いてはいけない気がした。

「睡眠薬には、吐き気を催す成分が含まれています。
今のカルマ君に吐くものがあるかどうか...

最悪、吐血してしまう可能性もあるでしょうね...」

頭をガツンと打たれた気分だった。

「吐くものがあるかどうか」？
ご飯が食べれないなんて、僕は聞いてない。

なんで殺せんせーはそれを知っていたの？
なんで、僕には...

「カルマ君...」

あなたは何を

「なんでっ...カルマ君......」

背負って生きているの？