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「西階段横のトイレ」
シゲからきたメッセージはそれだけしか書かれていなかった。
けれどそれは俺にとって十分な文字数で。
方向転換をしてトイレに向かう。
ドラマや映画の撮影の時より走った。
足がつりそうになるくらい走った。
息が上がっても、汗が流れても、それを拭っている暇などなかった。
角を曲がり、
扉の開け放されているトイレに滑り込むようにして入ると
目を瞑っている手越。
それを抱きかかえて呆然とするシゲ。
どこかに電話しているまっすーがいた。
きっと電話の先は、
救急車。
あまりに信じ難い光景に目を背けそうになるのを必死で堪える。
「シゲ、っ手越どうしたの」
恐る恐るではあるが声をかけると、
シゲの顔は涙で濡れていた。
その涙だけでもう胸がいっぱいいっぱいだ。
「もういいよなって言って、目閉じちゃった。
手越、どんどん冷たくなってるの、小山、どうしよ」
俺を見縋るシゲの顔を正面から見ることが出来ない。
切羽詰まったシゲの声が脳裏に響く。
響いただけで意味を噛み砕くことはあまりできていないのだけれど。
「シゲ、大丈夫、大丈夫だよ。
まっすーが救急車呼んでくれてるから、手越は大丈夫」
自分でも何が大丈夫なのかよくわからなかった。
戯れ言のように繰り返した大丈夫は、
行き場を失って二酸化炭素と化した。
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白不糖(プロフ) - あしゅさん» コメントありがとうございます(;;)語彙力、文章力共にまだまだ未熟故に読みにくい文になってしまって申し訳ないです…。 暖かいお言葉とても嬉しいです、ありがとうございます(*´`) (2018年7月28日 22時) (レス) id: afc19b5b9c (このIDを非表示/違反報告)
あしゅ - 完結おめでとうございます。読んでいて色々な感情にさせられるお話でした。でも最後にはとても大好きな作品になっていました。次のお話も楽しみにしています。これからも応援しています! (2018年7月28日 22時) (レス) id: d9ae80f945 (このIDを非表示/違反報告)
白不糖(プロフ) - ももさん» ありがとうございます(;;)とても嬉しいお言葉に感激しております、、、。最初から最後まで長々と付き合ってくださって、本当に感謝しかないです(´;ω;`)わぁあパス解除はもう少し先でいいかなぁと思っていましたがなるべくはやく解除するようにしますね! (2018年7月27日 23時) (レス) id: afc19b5b9c (このIDを非表示/違反報告)
もも - 完結おめでとうございます!更新、お疲れ様でした。大好きな作品です。照 最後の手越くんの自分のために生きるところ、実際の彼もそうであってほしいなぁ…なんて。 公開も楽しみにしていますね! (2018年7月27日 20時) (レス) id: 4dd4631751 (このIDを非表示/違反報告)
白不糖(プロフ) - atumina0710さん» 大変遅くなってしまって申し訳ないです。書ける時に書こうと思うので、ぜひよろしくお願いします…(;;)コメントありがとうございます(´;;`) (2018年7月23日 16時) (レス) id: afc19b5b9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白不糖 | 作成日時:2017年11月12日 17時