⭐︎ ページ30
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「もちろん、『彦星』だとか、『織姫』だとか、関係なしに、センラくんは大事な、大切な人だって…最近ホントに思えて、」
相変わらず見つめてくる彼の視線に、顔がどんどん熱くなる。
「…えっと…もう、何て言ったらいいか」
ごにょごにょと言うと、それまで黙って聞いていたセンラくんが口を開いた。
「そんなん、単純な言葉でええんやない？」
「単純…？」
彼の方を見つめ返すと、ずっと私を捉えている琥珀色の瞳が優しく色を変えた。
彼の大きな手に自分の手が包まれて、そっと撫でられる。
その温かさに、心臓がまた高鳴った。
「じゃあ、俺から言うな？
俺も、いつまでも、いつまでも…君が、
好きだよ」
これから先、まだ色々と困難なことがあると思う。
でも、ずっと私に寄り添ってくれるこの人となら、乗り越えていける。
そう、強く感じた。
『織姫』のチカラだとか、そういうの関係なく、今の私の気持ちを大事にしていこうと思った。
「私も、いつまでも…好きだよ」
恥ずかしさを乗り越えてそう伝えれば、目の前の彼は少し目を丸くした後、ニッコリと微笑む。
そうして、それに応えるように、私の頬にそっと手を当てた。
目の前の琥珀色の瞳が、潤んだように煌めいている。
それが細められて、顔が近づいてきて。
察した私も、誘われるように目を閉じて。
お互いが大切な存在だと確かめるように、そっと唇を重ねた。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
それから、数ヶ月後。
仕事帰りに待ち合わせた私たちは、前と同じように夜道を歩いていた。
「今日はね、
「ふうん？」
「星の光が明るい、秋の新月の夜でね、新月だから月が出てないのに星の光が明るいから…って、聞いてる？」
「聞いてる聞いてる、一生懸命話すAが可愛えなあ、って」
「もー…」
「なんか、Aみたいやない？」
「何が？」
「その、星月夜ってやつ。星の力で明るく照らしてくれてんやろ？みんなや、俺を照らしてくれるAみたい」
「…私からしたら、センラくんが照らしてくれてるお陰で、今、幸せ…だし…」
「…ふは、顔が赤いのまで分かるなんて、星月夜ってええなあ」
センラくんの誕生日も近いし、これからの星月夜は思い入れのある日になりそうだった。
〈終〉
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しろ鮎(プロフ) - 白雨さん» 白雨さんー！お返事遅くなりすみません！ありがとうございます！勝手に心の中で師と仰ぐ白雨さんにそんな風に言っていただけるなんて、とっても嬉しいです。引き続き温かい目で見守っていただけたら心強いです、また覗いてやってください〜！ (9月4日 12時) (
レス) id: 452c1db09c (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - セさんルート完結おめでとうございます〜！私はやっぱりしろ鮎さんの書く文章が大好きです……！展開も、表現も、ストーリー全体も全て飽きなんて感じさせなくて、心から尊敬します。未だに他の小説も読み直したりしてます。別ルートのお話も楽しみにしております！ (9月1日 0時) (レス) id: 4da6c03140 (このIDを非表示/違反報告)
しろ鮎(プロフ) - ちぇろさん» わー！ちぇろさんだ！お久しぶりですご無沙汰してます〜！毎度宣伝しないのに見つけてくださって、コメントまでくださってありがとうございます！ホントに長い間読んでもらって、作者冥利に尽きます。しばらくこのシリーズが続くのでまた次作もよろしくお願い文字数 (8月23日 19時) (レス) id: 452c1db09c (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ - しろ鮎さんの小説を初めて読んでから約4年が経ちましたが今もこうして新しいお話を見つけることができて幸せです。これからもしろ鮎さんのペースで更新待ってます！連投失礼しました、次のシリーズも楽しみにしています！ (8月23日 2時) (レス) id: cd65e0c157 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ - お久しぶりです！素敵なお話をありがとうございました！モチーフになっている七夕曲、大好きな曲なので歌詞が元になったセリフが出てきてキュンキュンしました！幼馴染の世話焼きセさんという設定すごく刺さりました… (8月23日 2時) (レス) @page31 id: cd65e0c157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ鮎
| 作成日時：2023年7月24日 16時
