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そう思って、私が繋ぐ手にそっと力を込めると、センラくんは無言で、敢えてこちらを向くこともなく、応えるようにぎゅっと握り返してくれた。…あの日の夜のように。
その途端、さらに私の中にチカラが入り込んでくるような感覚がした。
こんな所で、こんなタイミングで気づくなんて思わなかったけど。
____________この人が、私の『彦星』なんだ。
そう、強く感じられた。
伝える言葉にも自信を持って言うことができる。
「伊藤くんが、これをたかが占いだと思って信じなくても良い。でも、私には、伊藤くんの良くない未来が見えるよ」
「ふうん…」
面白くなさそうにそう言った伊藤くんは、
「…まあ、今日はもうなんか話しても無駄な気がするわ。折原も邪魔しに来ただけみたいだし。俺、暇じゃないし、帰るよ。星合、またちゃんと話そうぜ」
「私はもう会わないからね」
きっぱりと言うことができた。
これも、隣にいる彼のお陰だろう。
私の話が聞こえなかったのか、聞こえないフリをしたのかわからないけど、伊藤くんはそのまま個室から出て行ってしまった。
数分後、もう伊藤くんが戻ってこないだろうと思えたところで、やっと安心して大きく息をついた。
そこでやっと、センラくんが口を開いた。
「な？やっぱそういう話になったやろ？」
「ホント、そうだね…私が馬鹿すぎた」
「まあ、Aが極度のお人好しでNOと言えない人間なのは知ってたけどな。でも今日は頑張ったよ」
その言葉に隣を見上げると、ニッコリと笑うセンラくん。その笑顔につられて、私も笑顔になれた。
「とりあえず、出よか。アイツ一応金だけは置いてったんやな…足りんけど」
伊藤くんが置いて行った数千円をピラピラとさせて苦い顔をするセンラくんがなんだか可愛くて、声を上げて笑ってしまった。
「コラ。元はと言えばAがこんな誘いにホイホイ乗るからこうなってんやろ、反省せえよ」
頭をげんこつでぐりぐりされたけど、ちっとも痛くなかった。
「俺ん家で反省会や、異論は認めん」
「はーい」
「ホンマに反省してるんかお前は…」
呆れるように言うセンラくん。
その言い方も私を想ってくれてる様子が感じられて、笑いが止められない。
いつも私のそばに寄り添ってくれるこの人と、ずっと一緒に居たい。
ちゃんと、伝えよう。
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しろ鮎(プロフ) - 白雨さん» 白雨さんー！お返事遅くなりすみません！ありがとうございます！勝手に心の中で師と仰ぐ白雨さんにそんな風に言っていただけるなんて、とっても嬉しいです。引き続き温かい目で見守っていただけたら心強いです、また覗いてやってください〜！ (9月4日 12時) (
レス) id: 452c1db09c (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - セさんルート完結おめでとうございます〜！私はやっぱりしろ鮎さんの書く文章が大好きです……！展開も、表現も、ストーリー全体も全て飽きなんて感じさせなくて、心から尊敬します。未だに他の小説も読み直したりしてます。別ルートのお話も楽しみにしております！ (9月1日 0時) (レス) id: 4da6c03140 (このIDを非表示/違反報告)
しろ鮎(プロフ) - ちぇろさん» わー！ちぇろさんだ！お久しぶりですご無沙汰してます〜！毎度宣伝しないのに見つけてくださって、コメントまでくださってありがとうございます！ホントに長い間読んでもらって、作者冥利に尽きます。しばらくこのシリーズが続くのでまた次作もよろしくお願い文字数 (8月23日 19時) (レス) id: 452c1db09c (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ - しろ鮎さんの小説を初めて読んでから約4年が経ちましたが今もこうして新しいお話を見つけることができて幸せです。これからもしろ鮎さんのペースで更新待ってます！連投失礼しました、次のシリーズも楽しみにしています！ (8月23日 2時) (レス) id: cd65e0c157 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ - お久しぶりです！素敵なお話をありがとうございました！モチーフになっている七夕曲、大好きな曲なので歌詞が元になったセリフが出てきてキュンキュンしました！幼馴染の世話焼きセさんという設定すごく刺さりました… (8月23日 2時) (レス) @page31 id: cd65e0c157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ鮎
| 作成日時：2023年7月24日 16時
