【urt】dreamin’ Halloween Night【usss】 (ページ9)

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「いや、お菓子は…ああ、お菓子も欲しいけどさ…」

「？」

「やまだを助けてくれたのと、お菓子のお礼、してやるからさ、」

「…はい」

「まあ、また明日来るよ」

「わ、分かりました…」

うらたさんの様子が少し違って不思議には思ったけど、まあ今更そんなこと気にしても、という気もしたので、追求はせず素直に返事しておいた。

うらたさんは満足した様子で、やまだちゃんと共に出ていった。

＊

次の日、ハロウィン当日。

会社でお菓子はとても好評だった。
夜のハロウィンイベントにも参加しなよ、と同僚に言われたけど、片付けとかで時間取られるのもうらたさんを待たせちゃうからなあ、と、丁重にお断りしておいた。

うらたさんは約束通りに来た。

そして、開口一番に言った。

「そういえば、お前の名前知らねえわ」

「あ」

そっか、自分の名前はまだ名乗っていなかった。今更ながら自己紹介する。

「…Aです。AA」

「A…」

「…どうかしました？」

私の名前を口の中で含めるように呟くうらたさんを不思議に思って聞いたけど、

「……いや。なんでもねえ。とりあえず、行くぞ」

と、誤魔化されてしまった。

「へ？何処へ？」

てっきりまた家でお菓子を食べるのかと思って用意していたのに、出かけるとは。

「にしても、格好が、なあ…」

渋い顔で私を上から下まで眺めるうらたさんに少しムッとした。

「だって、出かけるなんて聞いてないですよ？着替えてきますから待ってて下さい」