助けてください ページ45
参考リクエスト:ぬこ / 順番前後しております
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阿部亮平:知的障害を持つ。支援施設で生活をしている。
岩本照:施設員。
渡辺翔太:施設員。
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阿部side
きもちわるい、って目が覚めた時には吐いてた。
お布団も、パジャマも、床も、汚れちゃった。
べったりした感覚が気持ち悪くて、お布団から出て上のパジャマを脱いだ。
ちょっと涼しくて気持ちいい気がする。
このままじゃ眠れないな、お口も気持ち悪い。
そうだ。『困ったり、わからないことがあったり、どうしたらいいかわからなかったら職員さんに教えてね』って。
でも、すぐ怒るあのひとはやだな。
あ、今日だれがいるかわかるかも。
扉を開けて、ちょっと暗いけど階段を降りる。
みんなのお部屋の入り口に掛かってるホワイトボードに、誰がいるか書いてある、けど。
阿部「んー…」
わかんない、って思ったらわかんないわかんないって頭がぐるぐるして。
『分かんなかったら、ゆっくりなぞってこの文字何かなーって考えてみよっか』
でも、今日はあたまが冴えてるかも。
さっくんが教えてくれたことを思い出して、黒い線を指でなぞる。
阿部「ひ、ー、く…ん」
ひーくん、読めた！
下の文字はたくさんある気がする。
それでもゆっくりなぞって、
阿部「し、よ…んん、」
わかんない、けど。
なぞる時に指を指した先に青い丸い印がついてる。
よくみたらひーくんのは黄色。
ってことは、しょうただ！
ひーくんとしょうたは仲良し。やさしい。
夜の職員さんは、1番奥の壁まで進んで、近くの扉。
扉を開けると明るくて、眩しかった。
岩本「うぉっ…あれ、阿部？どうしたの。上のパジャマは？」
渡辺「ちょ、詰め過ぎ…阿部ちゃん、ひーくんとしょうたを呼びに来てくれたの？」
阿部「ん、」
渡辺「何か困ったことあった？」
阿部「んー、」
夜なのに起きちゃった、お部屋が汚れちゃった、お口をぐじゅぐじゅしたい、さむい。
岩本「阿部吐いたのかも、ちょっとズボン汚れてる」
渡辺「あ、ほんとだ。阿部ちゃん、お口綺麗にしにいこっか。ぐじゅぐじゅぺーしにいこ」
岩本「俺部屋見てくるね」
しょうたがおててを繋いで電気をつけながらおふろがあるところまで一緒に歩く。
腕をしょうたがさすってくれて、ちょっとあったかいかも。
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作者名：みお | 作成日時：2023年2月17日 21時
