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目黒side
今日も、ふっかさんと俺で店を開ける。
平日は大体俺とふっかさんで開けて、ラウが帰ってき次第ふっかさんと変わって、俺とラウで締めまで働く…って感じ。
営業時間も11時から19時だから、長くないしね。
土日はみんなのスケジュールに合わせて出られる人が出る。
家のことは共有部分は曜日ごとにみんなで分担して、各部屋はもちろん各々掃除してねって。
深澤「阿部ちゃんは一旦俺の分担一緒にやろうか」
阿部「俺またレジ立ちたい」
深澤「それはもう少し落ち着いたらね、家とはいえ生活環境が変わるわけだから、慣れたら店出てもいいから」
阿部「はぁい…」
そんな阿部さん…阿部ちゃんは、最近調子の良い時はカウンターの1番奥の席に座って本を読んでいたり、知り合いの常連さんとお話ししたり。
いろんな常連さんが、それぞれ阿部ちゃんに気づくたびに笑顔になっていって、愛されてるんだなあって思う。
深澤「阿部ちゃんそろそろ病院行く時間じゃない？」
阿部「うん…」
深澤「俺ついて行こうか？」
阿部「ううん、大丈夫。準備してくるね」
週に一回の通院も、退院時とあまり変わらず崩れたら入院、みたいな少し危ないラインみたいで、阿部ちゃんは乗り気じゃないみたい。
まぁ病院に乗り気で行く人なんていないと思うんだけど、たぶん、また入院ですね、って言われるのが怖いんだと思う。
阿部「行ってきます」
深澤「行ってらっしゃい。何かあったらすぐ連絡するんだよ」
阿部「うん、ありがと」
小さなポシェットを肩からかけて、コートを着て、ふっかさんにぐるぐる巻きにされたマフラーをつけて、お店を出ていく。
カランカラン、という音が落ち着いたとき、ふっかさんははぁ、と小さくため息をついた。
今、お客さんは誰もいない。
目黒「…心配ですか？」
深澤「うーん、俺も医者じゃないからわからないんだけど、ちょっと、家でやってるやつも数値が微妙なことが多くて…病院に連絡するほどのラインではないんだけど、でも様子をしっかり見てください、みたいな数値なんだよね」
目黒「…なるほど」
深澤「まぁ、何かあれば病院から直接連絡あるだろうから、俺にできることなんてないんだけどね」
そう言うふっかさんは、少し寂しそう。
その日は無事に帰ってきた阿部ちゃんだけど、やっぱりあんまり良くはないみたいで。落ち込んでいるのが俺でも分かった。
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作者名：みお | 作成日時：2023年2月17日 21時
