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佐久間side
最近、阿部ちゃんの調子が下降気味。
冬季鬱って言葉があるくらいだから、この時期は阿部ちゃんももれなく調子を崩しがち。
秋ごろはちょっと躁っぽくなってて勢いで行動してた雰囲気もあったから、その反動もあるかもしれない。
朝ごはんをあんまり食べなくなって数日でだんだん食事量も減ってきて、3食ヨーグルトとか、起き上がれなくて何も食べなくてって時も増えてきた。
とりあえず、大学は2、3週間ですぐ春休みだし、テストもレポートも詰まってくる時期だからなんとか大学には行きたいみたい。
成績にも関わるから起こしてって頼まれてて、朝阿部ちゃんを起こして、時間が合えば一緒に少し早めの電車に乗って、たまに降りちゃうこともあるけど、大学の最寄りまで送り届ける。
レポートは、テーマが出た時点でかなり進めてて大丈夫みたいで。
テストも総集っぽいのばっかりだったみたいで、日頃からちゃんと勉強してた阿部ちゃんは、なんとかテストも書けたって言ってたんだけど。
やっぱり頭が回らなかったり、座っているのがしんどかったりするみたいで、自分では納得いっていない様子だった。
それで、なんとか迎えた春休み。
無理してでも大学に行ってたからか、睡眠時間もメンタルもガッタガタみたい。
ベッドから出られない日もあれば、1人で部屋の床に座り込んで泣いてる日もあって。
何も言ってないけど、目黒も一緒に過ごすうちに薄々状況に気づいているのか、俺がいない時は阿部ちゃんの様子を気にしてくれていた。
そんな日が続いていたある日、夕方にソファで眠りについてしまった阿部ちゃんは、夕飯の時に起こしたけど起きられなくて、寝る頃にもう一回起こして薬を飲むように促して部屋に戻した。
目黒「佐久間くん」
佐久間「ん？」
阿部ちゃんが部屋に向かってしばらくして、目黒がすこし緊張した面持ちで、ソファでスマホゲームをする俺に声をかけてくる。
スマホの画面を閉じて、目黒と目を合わせた。
目黒「…阿部ちゃん、なんか、あんまり体調もよくないみたいで…たまに、夜中に戻しちゃったりしてて。たまたま俺が気づいた日があったんですけど、佐久間くんには言わないでって」
佐久間「あらぁ…ありがと…久々に大波だなぁ」
目黒「…大丈夫、ですか？」
佐久間「うぅん、どうだろうね…」
目黒「いや、阿部ちゃんも、ですけど、佐久間くんも」
佐久間「え、俺？」
心配そうに見つめてくる目黒に、大丈夫だよ、と笑うしかなかった。
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作者名：みお | 作成日時：2023年2月17日 21時
