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目黒side
その日は俺が促す感じで阿部ちゃんを部屋に戻して、俺も寝た。
朝は普通に起きてきてて、今は自室から持ってきた毛布にくるまってソファーでコーヒーを飲んでいる。
佐久間「阿部ちゃーん、空腹にコーヒーはよくないよ、なんか食べれそうなのある？」
阿部「うーん…」
悩むようなそぶりをみせてしばらく黙った後、阿部ちゃんはまたコーヒーに口をつける。
それを見てムッとした表情の佐久間くんは、阿部ちゃんのほうにずかずかと歩いて行って、コーヒーを取り上げた。
佐久間「誤魔化さないで。なんか食べよ？」
目黒「ヨーグルトとか…あとはおかゆとか？レトルトでよければあるけど」
阿部「…じゃあ、ヨーグルト、食べようかな」
佐久間「ん、わかった。コーヒー残りは俺がもらうね？」
阿部「俺が淹れたのに…」
不満げな阿部ちゃんだけど、特に直接反抗することはなく、佐久間くんの後ろについて冷蔵庫に向かう。
佐久間「めめは？いつもと一緒でいい？」
目黒「はーい、大丈夫です」
流石にキッチンに男3人は狭いから、俺はテーブルの上を片付けたり、拭いたり。
阿部「めめありがと」
目黒「いえいえ」
そのうちヨーグルトとスプーンを持った阿部ちゃんがいつもの場所に座って、でろっと机に手をついて頭を乗せる。
たまにこういう日があるから、わざわざ声をかけたりはしないけど、心配。
年下の俺に心配されるの、阿部ちゃんは嫌みたいで、気丈に振る舞われることの方が多いし。
しばらく動かない阿部ちゃんを見ていると、チン、とトースターがパンが焼き上がったことを教えてくれた。
目黒「佐久間くんジャム何にする？」
佐久間「俺いちごぉ」
目黒「じゃあ俺はブルーベリーにしようかな」
あちあちって言いながらパンをトースターから出してくれる佐久間くんの横で、俺は冷蔵庫を開けて、ジャムの瓶を２つ取り出す。
そのままテーブルまでパンを持って行ってくれたから、俺もスプーンと瓶を持ってテーブルに向かった。
俺たちが戻ってきた気配を感じたのか、むくっと阿部ちゃんが起き上がる。
佐久間「食べれるだけでいいからね」
阿部「うん、ありがと」
さっきは何か食べろって言ってたのに、今は食べれるだけでいいからって言う佐久間くん。
調子が悪いと何も食べない阿部ちゃんに、食べるきっかけだけあげて、それでも無理なら見守るんだって、前に言ってたような気がしたのを思い出した。
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作者名：みお | 作成日時：2023年2月17日 21時
