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佐久間side
その後目元もタオルであっためてあげたりしたんだけど、結局亮平くんは眠らなかった。
月が見えなくなって、みんなを起こしに行く時間になっても窓際から動かないから、ちょっと無理やり部屋に戻して他の利用者さんたちの朝の準備を始める。
みんなが出てって、亮平くんも朝ごはんを食べて、ヘルプの俺と夜勤の舘さんがもうすぐ帰ろうかって頃。
宮舘「あ、寝るかな…」
共有部分のソファに座ってぽやぽやしていた亮平くんはやっと眠くなってきたのか、でろっとソファにもたれかかってる。
佐久間「亮平くん、寝るならお部屋だよ」
少し強めに手を引いて立たせるけど、そのまましゃがみ込んじゃう。
宮舘「亮平くん、部屋まで頑張ろ。はい、歩くよ」
後ろから舘さんも脇に手を入れて支えてくれて、なんとか部屋にたどり着いた。
佐久間「毛布かけるよ。電気、消します」
亮平くんを横にして、毛布をかける。
宮舘「亮平くん、おやすみなさい」
眠れるように舘さんに電気を消してもらってとんとんとお腹のあたりを優しく叩くと、やっと寝息を立て始めた。
宮舘「ふぅ…やっと寝たね」
佐久間「よかった〜久々にあんなに荒れてる亮平くん見たよ」
宮舘「ほんと。何が原因だったんだろうな…」
亮平くんの部屋をでて、日勤の人に引き継ぎ。
特に亮平くんについては荒れてた昨晩の様子と、明け方の様子も細かく伝えて、様子を見てもらうようにした。
「お疲れ様でした」
2人で外に出て、駅まで歩いている途中。
佐久間「そういえばさ、昨日満月だったじゃん？」
宮舘「うん、そうだね」
佐久間「調べた時に、あの、下に出てくる検索候補みたいなやつで気になったのがあって」
宮舘「…うん？」
佐久間「なんか、満月ってこう、人に影響を与えるみたいで、力がみなぎってパワーが溢れる人もいれば、調子を崩す人もいるみたい」
宮舘「だから亮平くんが荒れたんじゃないかって？」
そう思うんだよね〜と返すと、そういうのの信憑性ってどうなのかな、って言う舘さん。
まぁそういうのは分かんないけどさ。
佐久間「亮平くん、空が好きだから、もしかしたらそういうのに影響を受けやすいタイプなのかもね。晴れるともちろんすごく嬉しそうだけど、雨が降っても楽しそうにしてるじゃん」
宮舘「そうだね…あれ？」
足を止めて空を見上げる舘さんの視線の先には、虹。
亮平くんに見せたら喜ぶかな〜なんて思って、俺は写真に収めた。
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作者名：みお | 作成日時：2023年2月17日 21時
