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宮舘side
この時点でもう夜中の2時。
疲れて眠っちゃうかなとか思ったけど、どうだろう。
本当は1人にして落ち着く環境を作ってあげたいんだけど、さっきまでのことがあるから1人にするのは危険だと判断して、なるべく視界に入らない位置で俺は見守る。
佐久間には薬の片付けとかをお願いして一旦部屋から出てもらった。
さっきまで身体を包んでた毛布は、今はもう亮平くんが両手で抱きしめるようにして持っている。
阿部「う゛、う〜〜っ」
すくっと立ち上がった亮平くん。
壁に頭を打ちつけたり…って可能性もあるから、俺もいつでも動けるように、注意深く見守っているけど、大丈夫みたい。
しばらくぐるぐると部屋を動き回ったあと、俺の方に向かって歩いてきて、ぴたっと立ち止まった。
宮舘「亮平くん、どうした？」
ぐっと毛布を押し付けてくる。
それを受け取ると、自分の右手を左肩にトントンとする仕草。
自分からは言葉を発しない、亮平くんのハンドサイン。
これはトイレに行きたい時。
おむつもしてるし、自分から行きたいって伝えられることはほとんどなかったんだけど。
最近やっと、何度か使っているところを見れるようになって、今まで繰り返し伝えてきたことが伝わり始めてて嬉しい、というかもはや感動。
宮舘「トイレ、行きますか？」
阿部「…いきますか？」
宮舘「うん、教えてくれてありがとう」
毛布をベッドに置いて、亮平くんと手を繋いで部屋を出る。
トイレに行って、下を脱がせて座らせる。
宮舘「おむつも濡れてない、ね。こんなにちゃんと成功したの初めてなんじゃない？」
ぽんぽん、と頭を撫でると、不思議そうな顔でぐーっと手を握ってくる。
ズボンを戻して、手を洗って、水が跳ねて服が少し濡れちゃって不機嫌になっちゃったけど、その場はなんとか俺の手助けなしに自分で落ち着いて。
また手を握って部屋に戻ると、静かにベッドに座って毛布のタグを手でいじりはじめた。
だいぶリラックスしてきて一安心、というところで時間を確認すると、3時を回っていた。
宮舘「亮平くん、寝よっか。ベッドに、横になります」
ぽんぽん、と枕を叩くと、んん、と俺の首に手を回してくる。
宮舘「亮平くん、眠くない？」
さっきまで荒れてたし、疲れて眠いはずなんだけどな〜…
甘えたくなっちゃったかな。
他の利用者さんと比べてあんまり自分から甘えて来ない亮平くんだけど、ぐりぐりと肩に顔を押し付けてきてて、可愛い。
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作者名：みお | 作成日時：2023年2月17日 21時
