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佐久間side
阿部「んゔ〜〜〜〜〜」
舘さんが毛布越しに強く抑えてくれてるから、俺は亮平くんの身体をさすり続けて声を掛けているけど、今日は落ち着く気配がない。
宮舘「佐久間、薬持って来れる？」
佐久間「…うん、わかった」
宮舘「このままだと本人もかわいそうだしね」
顔を真っ赤にして全身に力が入っている亮平くん。
本人も苦しいはずだけど、もう自分でどうにかできる興奮状態でもなくてどうしようもないんだと思う。
病院から処方されている頓服の粉薬を水で溶かして、口に流し込めるように先が狭くなっているお皿に入れて。
一応ゴム手袋もつけて部屋に戻ると、今度はぼろぼろと泣き始めちゃっててもう見ているこっちもしんどい状況。
佐久間「亮平くん、お薬、飲みます」
一応視界に入るように、薬の入ったお皿を見せるけど、意識が全然こっちに向いてなくて、多分伝わってない。
舘さんに身体を抑えられてるのもあって、身体で発散できない分頭がぶんぶん動いてる。
佐久間「亮平くん」
頭を少し抑えてこっちを向かせると、しばらくは唸ってたけど、気持ちさっきより落ち着いてきた。
でも、まだぼろぼろと涙をこぼしていて苦しそう。
佐久間「亮平くん、お薬、飲みます」
もう一度、お皿を視界に入るように持ち上げて見せる。
伝わったかはわからないけど、もうここまできたら飲ませるしかない、と後ろの舘さんと目を合わせると頷くから同じ気持ちのよう。
佐久間「亮平くん、あー」
阿部「んー、んんー…」
佐久間「お口、開けてください。あー」
阿部「っ…んぁ」
佐久間「上手だよー、お薬飲んじゃおうね」
やっと、少し開いた口に左手の親指を滑り込ませて閉じないようにしつつ、空いた指で顎の辺りを抑える。
その口が閉じないうちに薬を流し込んで、指を抜いた。
佐久間「えらいえらい。ごっくん、できる？」
少しだけ顎を上げさせて飲み込みやすいように手伝うと、ゆっくりと喉が動くから、飲み込めたみたい。
佐久間「お、飲めたかな？あーんして佐久間に見せて？」
阿部「ん゛んぅ…」
宮舘「ふふ、苦かったから怒ってるのかな」
佐久間「ごめんねぇ、お薬飲めてえらいよ」
それからしばらくはまだ落ち着かない様子だったけど、だんだん力が抜けてきたのか、舘さんも抑える力を弱めてゆっくりと背中をさすっている。
阿部「んー…ぅん、ん」
身体をゆらして唸る亮平くんは、やっと自分で落ち着けそうな様子が見えた。
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作者名：みお | 作成日時：2023年2月17日 21時
