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深澤side
深澤「目黒、泣いてる暇ないよ。仕方ない、で片付けられないけど、過ぎてしまったことは過ぎたこと。俺が今日阿部ちゃんと話するから、同席お願いね。」
目黒「っはい…」
宮舘「俺は佐久間のフォローに入るから。卒業の時、1番心配してたの佐久間だし」
深澤「うん、お願い。康二は今日は来ないから明日かな。軽く連絡だけ入れておく」
貼り付けたような笑顔、それは、阿部ちゃんの入所当初を思い起こさせるものだった。
感情なんて関係なく、むしろ、感情もないのにずっと笑顔で過ごしていた阿部ちゃん。
きっと、感情を出せば酷い目に遭う環境にいたのだろう。
徐々にこの場所に安心してきて、試し行動も経て、2年、3年と過ごすうちに自然な笑顔がどんどん増えてって、やっと、やっとだったのに。
宮舘「ふっか、大丈夫だとは思うけど。全部ふっかのせいじゃないからね。もちろん、目黒だけのせいでもない。誰のせいでもないってことだけは忘れないで」
深澤「…わかってる」
宮舘「大丈夫。どんな結果になっても、阿部の幸せを考えてあげていられれば、大丈夫」
舘さんの言葉は安心するな。
目の前の目黒も、やっと落ち着いてきたのか、顔洗ってきます、と席を立った。
3人で座って阿部ちゃんを待っても、見られたらプレッシャーになっちゃうかもだから、あくまで俺らは普通に過ごす。
洗濯をしたり、夕飯を作ったり、掃除をしたり。
そうこうしていると、時刻は17時。
そろそろかな、と思った頃、ガチャンと鍵の回る音がした。
阿部「ただいま〜」
深澤「おかえり」
阿部「あれ、ふっかだ！朝いたから夜はいないかと思ったよ」
阿部ちゃんの笑顔に心が痛む。
今朝見た笑顔と、変わらない。変わらないことが、今は怖い。
阿部「舘様、お弁当ありがとう。美味しかったよ」
宮舘「それはよかった」
阿部ちゃんは、自分のカバンからお弁当箱を出して、夕飯の準備をする舘さんの隣で洗い始める。
と、ここでも舘さんがとある異変を拾った。
それは、また後で。
笑顔でお弁当箱を洗う阿部ちゃん。
終わった頃を見計らって、声をかけた。
深澤「阿部ちゃん、久しぶりにお休みの部屋いこっか」
阿部「え〜もうすぐテストだし、勉強したいんだけど。それに、俺元気だよ？」
元気アピールなのか、身体を見せるように手を広げる。
深澤「俺最近あんまここきてなかったからお話したいの。ちょっと付き合ってよ〜」
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作者名：みお | 作成日時：2023年2月10日 6時
