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宮舘side
宮舘「これ、どういうこと？」
他のみんなには仕事に戻るよう伝え、俺と阿部は家に戻り阿部の部屋で向かい合っていた。
ベッドに座る阿部と、デスクの椅子を借りて向かいに座る俺。
阿部の独特の手癖がでていて、必死で言い訳を考えているのかな、なんて思う。
宮舘「最終の編集記録が、4:32になってるね」
明らかに仕事の時間内ではない。なんなら、みんなが寝静まっている時間。
阿部「じゅ、16時の、ことじゃない、かな…」
宮舘「16時は16時表記でしょ。それは1番事務が得意な阿部が分かってるよね？」
再び黙ってしまう阿部。
クマがひどいことも、仕事のペースが異様に早いことも、これが事実なら納得がいく。
宮舘「夜中に、事務所で仕事してたの？」
阿部「…ご、めん、なさい」
はぁ、と思わず出たため息に、阿部の肩がビクッと揺れる。
宮舘「どうしたの？なんか不安なことでもあるの？」
阿部のペースなら、普通の仕事の時間で十分だと思うけど。
何かあるんだろう、と思って攻めるのは一旦やめて、話を聞くことにした。
俺の雰囲気が変わったのを察知したのか、徐々に阿部が話し出す。
阿部「最近、寝付けなくて…眠れないまま2時とかになっちゃって…そしたらだんだん、仕事のことで不安なこととか、心配なことが気になってきちゃって…」
今にも泣き出しそうな阿部の隣に座り、背中を摩る。
阿部「眠れないし、不安なままも嫌で、ちょっとだけって思って事務所に降りる日が、だんだん増えて…そしたら、仕事してないと、不安になっちゃって」
宮舘「でも、阿部はほとんど仕事もミスないし、心配に思うことは無いんじゃない？」
そういうと、阿部の中で何かが決壊したのか、ぼろぼろと泣き始めた。
阿部「しごと、してないと、おれ…いらない、から」
宮舘「誰もそんなこと言ってないよ」
阿部の中にある不安は、もしかしたら生活歴の中にあるのかもな、と思った。
家族と折り合いが良くない、とだけ聞いていたけど。
阿部「ちゃんと、しないと…まちがったら、だめ、で、すてられちゃ…」
宮舘「阿部、落ち着いて」
身体が震えてきた阿部を落ち着かせたくて、手を握る。
呼吸も浅くなってきてしまい、過呼吸状態。
宮舘「阿部ごめんね、ちょっとタオル出すよ」
近くにあった阿部の引き出しからタオルを取り出して、口元にあてがう。
宮舘「ゆっくり、息吐いて…そう、その調子」
息は整ってきたけど、止まらない身体の震えに、不安が募る。
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作者名：みお | 作成日時：2023年2月10日 6時
