3 ページ34
宮舘side
最近、阿部の様子が変だ。
それは周りも薄々気づいているようで。
渡辺「阿部、クマ酷くない？顔色悪いよ」
阿部「えぇ、そうですか？渡辺さんが美容に気を使うから気になるだけですよ」
そんな感じで、のらりくらりと追求を避ける阿部。
でも、おかしいのは顔色だけじゃなくて。
宮舘「阿部、仕事のペース、早くない？」
阿部「えぇ、そうですか？」
ラウ「俺の面倒も見てくださってるのに、もう来週までの仕事、ほとんど終えてますね」
仕事の時間は9時から17時。
仕事は家に持ち込まない約束だから、自室でやっているとも思えない。
なにかありそうな雰囲気はあるから、しっかり様子を見ていこうと思っていた数日後、ひょんなことからとある事実が発覚した。
渡辺「阿部、これどういうこと？」
阿部「何か不備ありましたか？」
翔太の外回りの補助資料。
確か阿部の担当だったな。
補助資料を持った翔太は、阿部に詰め寄る。
阿部は状況が飲み込めていないのか、不思議そうな顔だけど、少し焦りが見える。
何か阿部がミスをした、訳ではなさそう。
仕事のミスなら翔太はあんな詰め寄り方はしないって、知ってるから。
翔太の剣幕に静まり返った事務所。
渡辺「俺が何言いたいか、分かるよな？」
阿部「えぇ…」
押し付けられた資料を開いて確認する阿部。
パラパラとページをめくっていくが、なにもなさそう。
と、思ったら。
阿部「…ぁ」
最後のページでぴたりと手が止まり、小さな声が漏れた。
渡辺「何言いたいか、わかったよね？どういうこと？」
阿部「…なにかのバグ、じゃないですかね」
渡辺「そんなバグある？」
阿部「ないとも言い切れないと、思いますけど…」
翔太と目も合わせないし歯切れの悪い阿部。
痺れを切らしたのか、翔太は康二の持っていた資料もひったくるように奪い、それも1番最後のページを開いてみせる。
渡辺「じゃあ、これもバグなの？」
阿部「…っと」
渡辺「はぁ、涼太」
宮舘「なに？」
阿部「ま、まって！違くて、それはっ」
焦る阿部を翔太は無理やり座らせて、俺はさっきまで阿部の手にあった翔太と康二の資料を受け取る。
渡辺「最後のページの1番下、みて」
そう言われて、最後のページを開いて1番下に目をやると。
宮舘「…あれ？」
俺も状況が読めなくて、もう一つの康二の資料も同じ場所を確認する。
そこでやっと、翔太の言いたいことがわかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 452人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みお | 作成日時：2023年2月10日 6時
