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渡辺side
さっきの目黒の言葉をそのまま主任に伝えると。
「うわ〜…どうしたもんかな」
と、言いつつ笑っていたけど、目が、ガチだった。
もちろん3人の保護者には主任から連絡が行って、俺と佐久間先生は目黒の親と、亮平くんの親に連絡。
どうやら目黒の母親と亮平くんの母親は2人の仲がいいからか知り合いらしく。
「蓮くん、亮平のこと、守ってくれてありがとうね」
「蓮すごいじゃん、亮平くんのこと守ろうとして、ヒーローだね」
お母さんたちに褒められた目黒は嬉しそう。
その間もずっと、目黒と亮平くんの手は繋がれたまま。
佐久間「不用意に、教室に子どもだけにしてしまい申し訳ありませんでした」
頭を下げる佐久間先生。
普通級なら子どもだけの時間があっても問題ないが、支援級はそうはいかない。
佐久間先生はかなり責任を感じているようだった。
頭を下げた時の佐久間先生の手は、赤くなるほど自分のズボンを握っていた。
そんな佐久間先生をみて、目黒と亮平くんは不安げ。
でも、心配はなさそう。
「佐久間先生が謝ることじゃないです。学校はトラブルがつきものだって分かってますし、過保護に守りすぎても大きくなった時に亮平が困る時がきます。だから、今回は2人にとっていい成長の機会になったかもしれません」
そう言った亮平くんのお母さん。
佐久間先生はもう一度頭を下げたあと、今度は子どもたちに向き合って、怖い思いさせてごめんね、と伝えていた。
阿部「な、かぁいで…ぁくま、せん、せ」
亮平くんが、拙い言葉で、でも確かに自分の言葉で佐久間先生に声をかける。
佐久間先生は泣いていないけど、亮平くんは佐久間先生の心を敏感に感じ取ったのだろう。
目黒「さっくん先生としょーた先生が来てくれた時、すっごいあんしんしたんだよ！だから、だいじょーぶ！」
子どもたちなりに、佐久間先生を励まそうと必死。
最後には佐久間先生も笑顔に戻って。
佐久間「じゃあ、またあしたね。あべちゃん、蓮くん」
渡辺「気をつけて、帰るんだよ」
目黒「また明日！」
阿部「ぁ、い、ばい」
手を繋いで帰る目黒と亮平くんの後ろを見守るようにお母さんたちも一緒に帰っていくのを見つめる。
渡辺「佐久間先生」
佐久間「なんですか？」
渡辺「…目黒と亮平くんは、ずっと友達でいてほしいですね」
佐久間「にゃは！あの2人なら大丈夫ですよ」
——————————————————END
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作者名：みお | 作成日時：2023年2月10日 6時
