3 ページ3
深澤side
電気ケトルに水を入れ、お湯が沸くまで顔を洗ったり歯を磨いたり。
一通り朝のルーティンをこなして、キッチンへ戻る。
既にお湯は沸いていて、自分のマグカップにスティックコーヒーとお湯を入れるだけ。
自慢じゃないけど、俺は料理が一切出来ないからね。
キッチンに立つのは飲み物を入れる時くらい。
佐久間ごめんねっていつも思っている。
マグカップを持って、そっと亮平の座っているソファに腰を下ろす。
ポカリは半分まだ残っていて、それを亮平はぼんやりと眺めていた。
阿部「…もう、31日なんだね」
深澤「そうだね〜、亮平が寝たのが29の夜だったから」
コーヒーに口をつけて、「あちっ」と声が出た俺をみて、亮平の表情が少しだけ和らいだ。
深澤「佐久間も俺も、もう仕事納めたから、今日はゆっくりもできるし、行きたいとことかあれば行けるけど〜…どこも混んでそうだな〜」
阿部「俺、宿題終わってないからそれやろうかな」
深澤「あとどれくらいあんの？」
亮平は長期休みなどに関わらず、宿題は出たらすぐ終わらせたいタイプらしい。
俺よりひと足先に冬休みに入っていた中学校からの宿題は、もう既にかなり進んでいるはずだ。
阿部「たぶん寝ちゃった時にやってたやつ…が、あと数ページと、書き初めと…それくらいかな」
深澤「はっや…じゃあ今日はいいんじゃない？起きたてだし、のんびり俺らとテレビ見たりゲームしたりしよーよ」
阿部「うーん…でも…」
深澤「まぁ気になってストレスになるくらいなら今日やっちゃってもいいと思うけど」
亮平はポカリから目を離し、ぼんやりと上を見つめる。
頭の中を整理しているのかな。
俺はコーヒーを飲みながら、そんな亮平を見つめていた。
すると突然、ばたばたばたっと、大きな足音。
びっくりして俺も亮平も廊下に繋がる扉の方に顔を向けた。
もちろんこの家にはもう1人しかいないわけで、音の出所はそいつだった。
佐久間「ふっか！あべちゃん、は…いた！うぁ〜よかったぁぁおはよう！おはよう！部屋覗いたらいなかったからちょーびびったぁ」
深澤「朝からうるせぇよ、近所迷惑」
阿部「…ごめん、ね、さっくん」
佐久間「えぇ！そんな顔しないで！おはよう！」
阿部「…おはよ」
深澤「お前もうちょっと声のボリューム落とせない？」
佐久間「ごめんてぇ、あっ、すぐ朝ごはん作るね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 452人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みお | 作成日時：2023年2月10日 6時
