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目黒side
ふっかさんに戻って記録つけておいで。と言われ、お休みの部屋を出る。
お休みの部屋に入ってから、1時間以上が経過していた。
宮舘「あ、目黒。おかえり」
目黒「…ただいま？です」
宮舘「どうだった？阿部」
かいつまんで、阿部ちゃんとふっかさんのやりとりを伝えると、辛そうに顔を歪めた舘様。
宮舘「そっかそっか、時間がかかりそうだね。佐久間も帰ってきてるけど、まだ様子がわからないから何も言ってないよ。ちょっと具合悪くてって言ってるけど、阿部の最近の違和感に気づいてたのか、あんまり納得してない様子だった」
目黒「そうですか…」
佐久間くんでさえ、気づいていた違和感に、俺は気づかなかった。
黙ってしまった俺に、舘様は言葉を続ける。
宮舘「阿部の弁当だけどさ、さっき、洗うの見てた時、箸が汚れてなかったんだよね」
目黒「…え？」
宮舘「朝ごはんも最近食べてなかったから、食べられなくて捨ててるか、もしくは…捨てられてるか。俺にはわかんないけどね。意外と事態は深刻なんじゃないかって、思う」
いつから、どれだけ壮絶な生活を学校で送っていたのだろう。
何も、SOSが出せないことをいいことに、ヒートアップしていったのだろうか。
どれだけ考えても仕方がないことで頭がいっぱいになる。
宮舘「ほら、記録書いてくるように言われたんでしょ？俺ここにいるから、ゆっくり書いてきていいよ。コーヒー…はこの時間眠れなくなっちゃうから、ホットミルクとか持っていきな。夕飯になったら呼ぶからさ」
目黒「…はい、ありがとうございます」
職員用の部屋に、お言葉に甘えてホットミルクを持って入る。
普通の部屋に机を並べてるから、圧迫感がすごい。
1番奥の、自分のデスクに座って、適当に紙を用意する。
俺はまとめるのが苦手だから、本番を書く前に頭の中を整理したくて、ざっと必要な情報を書き出す。
苦しくなってくるけど、阿部ちゃんが受けていたものに比べたら、俺が泣いている暇はない。
SOSが出せない子どもたち。
自分にできる事はなんだろう、と考える。
すぐに答えなんて出ないけど、考え続けることが大事だと、ふっかさんに言われたことを思い出した。
その後の阿部ちゃん。何度か学校に向かおうと制服を着ていたけど、その度に説得して。
その後ストレスが溜まってたのか高熱にうなされること数日、貼り付けたような笑顔は消えた。
大丈夫、俺らが守るからね。
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作者名：みお | 作成日時：2023年2月10日 6時
