年下の彼 ページ38
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カズ･･･
震える唇を必死で手で押さえて、気持ちを悟られないように･･･
「どうしたの･･･？」
和「会いにきたの」
「･･･帰って･･もう終わったでしょ？」
和「終わってないでしょ？」
「ここは･･･あなたなんかが来る場所じゃない」
和「あなたがいるなら、どこだって行くよ？ 開けてよA･･･顔見せてよ」
「･･･かえって･･･おねがい･･」
和「嫌だ。帰らないよ」
モニター越しに、こちらを真っ直ぐ見つめる彼･･･
その瞳に、涙が止まらなくなる
やめて
これ以上
まともにモニターを見れないでいる私を、彼が優しく微笑みかける
彼の瞳は前と何も変わらない
今にも壊れそうな
優しくて寂しい･･･カズの瞳
この瞳に、私はすべてを奪われたの
「カ･･･」
彼の名前を言おうとした瞬間、心臓が止まりそうになった
「どちら様ですか？」
低い声で、彼の背後から問いかけるその男は、冷たくインターホンの向こうの私を睨みつけ、そして声のトーンを変えることなく、いや、さっきよりももっと冷静な声で続けた
夫「ウチのやつに用事ですか？」
彼もまた、男の声に怯むことなく、真っ直ぐ男を捉えて答えた
和「Aさんにお会いしたいんですけど･･･あの、二宮って言います」
彼の名前を聞いても顔色ひとつ変えない夫
いくらそういうことに疎いとはいえ、カズの顔と名前ぐらいは知ってるはずだ
夫「どうぞ･･･ここじゃなんなんで。あなたも目立っちゃまずいんですよね？二宮さん」
知ってる･･･
夫は以前からカズだと知っていたんだ
その瞬間、唇の震えが止まった
もう何も感じなかった
玄関に行ってシューズボックスの全身鏡に自分の姿を映した
エプロンをとって、涙の痕を指で拭って、髪を整えて
カズに会う私になる
それから、静かにドアを開けた
そこには
私を優しく見つめて微笑む
年下の彼がいた･･･
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シロ(プロフ) - 柄璃華さん» もう、嬉しいお言葉、何度も何度もコメント読ませていただきました。そのたんびに、力が湧いてくるんです。頑張ろう！って。ほんとにありがとうございました。 (2014年8月27日 18時) (
レス) id: 03309d756a (このIDを非表示/違反報告)
柄璃華(プロフ) - 素敵なお話でした。書いてくれてありがとうごさいました。シロさんが書くお話大好きです。応援してます。頑張って下さいね！ (2014年8月24日 23時) (レス) id: 86b64db34b (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - かこさん» コメント、ありがとうございますっ！そしてそしてなんとも嬉しいお言葉。涙が出そうです。かこさんに言われるのはすごくすごーく照れますね（苦笑）あ、またお暇なときにでも遊びに来てくださいね♪ありがとうございました。 (2014年8月7日 15時) (レス) id: 03309d756a (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 早速おじゃましましたー♪やー、一気読み。切なさとあふれる二人の想いに引き込ま夢中で読みました。ハッピーエンドでよかった！すてきな作品に出合い今日は大満足です。またおじゃまします(///∇///) (2014年7月31日 17時) (レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - Rumikoさん» お返事遅くなってごめんなさいっ！そしてコメントありがとうございます！お言葉本当に嬉しくて、こちらに発表してよかったって心から思いました。ラブストーリーは突然に♪コメントを読みながら、ほんとだ！ってなりました（笑）また恋して頂けるように、頑張りますねっ (2014年6月30日 17時) (レス) id: 03309d756a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロ | 作成日時：2014年5月14日 16時
