抱きしめたいーside junー ページ15
車が走り出すと、彼女は窓の外を見ていた。
退屈してる風ではなく、流れるネオンの光を見て楽しんでいるようだった。
猥雑な通りを抜けしばらく走ると、ふっと辺りが寂しくなって、遠くにレストランの灯りだけが浮かんで見えた。
俺の１番のお気に入りの店だ。
以前ドラマで共演した先輩に連れてきてもらったんだけど、すぐに気に入って、もし好きな人ができたら１番最初は絶対ここに来ようと決めてた店なんだ。
「着いたよ」
Aは、ぼーっとレストランを眺めていた。
「綺麗...」
ぽつりと言った彼女の横顔にレストランの灯りが映って、俺は胸が熱くなった。
おまえの方が全然綺麗だよ？
扉を開けて出迎えたウエイターに、戸惑いながらも会釈をする彼女が可愛くて、おもわずクスリと笑ってしまった。
あーもー、すげぇ可愛い
頬が緩む(苦笑)
「潤？どーしたの？」
「いや、可愛いなーと思って」
「もお、なに言ってんのよ///」
案内された席は、窓からレストランの庭が一望できる場所にあった。
「予約してくれてたの？」
「あぁ、Aにこの景色を見せたかったんだ」
間接照明がほのかに当たって、昼間見るそれとはまた違っててすげぇ綺麗なんだ。
テーブルのキャンドルの光が、彼女をより一層可愛く見せた。
「潤、あたし、こんな素敵なお店、大丈夫かな？」
「全然大丈夫だよ。そんなに堅苦しく考えなくていいから。普通にしてていいんだよ」
料理が運ばれてくると、少し緊張が解れて、彼女の顔にいつもの笑顔が戻った。
俺らは最近起こった事とか、色々話した。
Aは、店に来るという変わった客の話を楽しそうにしていた。
「今日は話し過ぎだね、あたし」と、照れ笑いする彼女を、もっと見ていたいと思った。
食事が終わって会計を済ませてる間、Aは外に出て庭を見ていた。
「もっと近くに行って見てみる？」
「ううん、いい。綺麗なものは遠くからそっと見るのが好きなの。...ありがと、潤」
返事が彼女らしくって、おもいっきり抱きしめたかった。
「A、少しドライブしないか？」
「えっ？」
Aは腕時計をチラっと見て、少し考えてから、「いいよ」と笑顔で答えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シロ(プロフ) - かじゅみーさん» お仲間がいたっ（笑）えっと、キャラが好きって言われるの、すごく嬉しいです。色々書いてると、似てきちゃったりするので。でもこの女の子、私も好きなんです。それに、泣けますとか…。そのお言葉で私が泣けますよ（笑）こちらこそ、ありがとうございました！ (2014年9月9日 10時) (
レス) id: 03309d756a (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 和真さん» 好きだなんて、嬉しいです。ここに載せてるお話しだけでも、そこそこ書いてきましたが、このヒロインちゃん、私も結構好きなんです。若かりし頃の自分を少し重ねて書いたので。若気の至りってやつです（苦笑）こんな拙いお話しを読んでくれて、ありがとうございました。 (2014年9月9日 10時) (レス) id: 03309d756a (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 二宮タマにゃんさん» すっごいお返事遅くなってすみませんっ！お言葉、めっちゃ嬉しかったですよー。また読みたいって言われるのが一番の褒め言葉です。ぜひ、他のも読んでみてくださいね♪ありがとうございました。 (2014年9月9日 10時) (レス) id: 03309d756a (このIDを非表示/違反報告)
かじゅみー - シロさん！うちも、最初潤君ファンです。途中から和君に変わっちゃいました。ｗでも、副担ゎ潤君ですｗｗこの小説、泣けます。でも、主人公ちゃんとか見てるとなぜかニヤってなりますｗｗこのキャラ好きです。ありがとうございました。完結おめでとうございます。ｗｗ (2014年8月28日 20時) (レス) id: 6e6b340543 (このIDを非表示/違反報告)
和真 - こういう感じの女の子がものすごく好き...、不思議なんだけど溜め込んじゃう系の(笑)処女作だったんですね。すごく素敵です。羨ましい...。 (2014年8月27日 22時) (レス) id: 1c981e28be (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シロ | 作成日時：2014年8月25日 12時
