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オタク、困惑する。 ページ14

す、凄かった....。

もうそれの一言につきますよ....。



私が部屋の端の方で待機していた間、氷川さんと鬼はずっと戦っていた。

氷川さんの足に穴が空いたときは流石にどうしようかと思ったけれど、流石は氷川さん。最高の剣士!


スッパリと首を切ってご覧にいれた。


鬼を倒した氷川さんと私は、殺された男の子たちの骸を屋敷の庭に埋葬した。

今度は、どうか幸せに。



それにしても、鬼と氷川さんは何を話していたんだろう。

帰り道の途中、私は考え込む。

鬼が1人でガンガン喋ってたけど、あいつの声すっごい五月蠅くて。

何言ってるのか半分以上聞き取れなかったんだよね。

なんか、女がどうじゃこうじゃ〜って。




「A。」

「あ、うん!はい!」


氷川さんに呼ばれる。

ハッと我にかえると、少し距離が開いていた。
焦って距離を詰める。

そして、隣を歩く氷川さんをちらりと仰ぎ見た。



あれから氷川さんの雰囲気が変わった。

怖いっていうか、何か妙に気を張ってるというか。

今まで見なかった感じの氷川さんだった。




「....氷川さん、何か怒ってますか?」

もしかしなくとも、私が役立たずだったから?


私の声を聞いた氷川さんは、少し唖然とした顔をしたあと、すぐさま否定した。


「ち、ちがう!違うの!怒ってないわ。Aは良く頑張ってるもの!」

「じゃあ、なんでさっきから顔をしかめているんですか?」

「それは、.......」



何か言いにくいことだったのだろう。

それから氷川さんは黙ってしまった。

しまった、と思った時には既に遅い。

口から出た言葉を撤回することの難しさたるや。

私も口を噤んだ。



無言の女性と少年、2人が顔をしかめて歩く姿は、町の人々にはどう映っただろうか。

町を出て、山に入り、そろそろ氷川さんの家に着くだろうというところで、ようやく氷川さんは口を開いた。





「A、あのね」

「は、はい!なんですか!!」

氷川さんからの反応が嬉しくて、つい声が弾んでしまう。

氷川さんはそんな私に少し頬笑んで、顔を逸らした。





風が吹いた。







「私、本当に馬鹿な女なの。」

ごめんね






 


空気に解けいりそうな、か細い声だった。

顔は風に吹かれた髪の毛でよく見えなかったけれど、きっと彼女は泣いていた。



どうして。なんで。







彼女の言葉を理解するには、この時の私はあまりにも無知だったのだ。

オタク、知る。→←師匠、戦う。



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設定タグ:鬼滅の刃 , 男主 , 転生   
作品ジャンル:アニメ
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Stella.Ms.an - うう、 (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
Stella.Ms.an - アッ、すみません取り乱してしまいましたいまのはわすれてくれますよねそうですよねニッコリ (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - はるさん» ありがとうございます!のんびりとですが更新していきますので、どうぞお付き合いください。景虎には醜く退場して貰うつもりなので、お楽しみに! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - 雨傘さん» コメントありがとうございます!じょ、女装?!でも顔は普通に男前なので、似合ってしまいそうなのが更に腹立たしいところですね....!! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 更新頑張って下さい!そして景虎さんに悪の撤退を! (2020年3月14日 16時) (レス) id: de479982fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シレア | 作成日時:2019年7月22日 22時

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