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オタク、刀を振るう。 ページ29

「美味しかったかい?俺たちの子」

「う”あっ”、ぐっ、!!」


まるで、もう興味はなくなったと言わんばかりに私の首を掴んだ腕を振り落とす。

私は、為す術無く、そのまま地面にたたき落とされた。

強い衝撃に目が霞む。喉が焼け付くように熱かった。


「っ、ぐっ、う”う”ぅ、っ”、!!」

「なんだい、喧しいなあ。俺たちの子供の可愛い声が聞こえないだろう?」


眉をひそめ、赤い瞳を細めて、あの”太陽”のような笑顔で景虎は笑っている。


あの笑顔に、私も、氷川さんも、何人もの女性が騙され、食い物されてきた。


鬼のくせに。

太陽の光が天敵のくせに。

”太陽”のような笑顔だって?


自分の今までの行動、考えに、笑いが零れた。


あまりにも、愚かで間抜けだった。






「ああ、そうだあ。可愛い子供。君に名前をあげなくちゃね。うーん、そうだな......」


景虎は嬉しそうに肉塊に話しかける。





「A、なんてどうかな?」




「っ、?!」


その言葉に、咄嗟に体勢を立て直す。

氷川さんの刀を強く握って、腰に添える。

だめだ、このまま、ここにいては。


殺される。


「きっとお母さんも気に入るよ」


「オ、オカア、サン、ッ!!オカアサン、ヨロコブッ、?!!」

「うんうん、必ず喜ぶさ.....ああ、でも、」



景虎の視線がこちらに向く。

冷や汗が噴き出た。

刀を握る手に、更に力がこもる。


「あの子を喰わなくちゃ。名前をあげられないなあ」



ヒュッと喉が鳴る。目を見開いた。





「喰いやすいように、先に殺してあげるよ、俺たちの可愛い子供、A」


その言葉を言い切る前に、凄い速さで私の眼前に現れた景虎。

距離は、自分の腕の長さよりも短かった。

私は、頭が真っ白になる。

目の前の男の鋭い爪の動く様が、スローモーションのように感じた。




だが。


何かに導かれるかのように私の左手親指は刀の鍔を押し上げ、右手で柄を握りしめていた。

氷川さん?




いいや、きっと違う。





この咄嗟の反応は、これまで氷川さんの元でつけた、私自身の、力だった。






そして、そのまま、景虎の爪先が、眼球に当たる直前に、呼吸の型を作る。


足を少し引き、体勢を低く保つ。

そして。




氷の呼吸 参の型 氷結




刀を振り抜き。






「あ、れぇ、?」

景虎の胴体がずれた。

オタク、怒りに身を任せる。→←オタク、怒る。



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設定タグ:鬼滅の刃 , 男主 , 転生   
作品ジャンル:アニメ
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Stella.Ms.an - うう、 (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
Stella.Ms.an - アッ、すみません取り乱してしまいましたいまのはわすれてくれますよねそうですよねニッコリ (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - はるさん» ありがとうございます!のんびりとですが更新していきますので、どうぞお付き合いください。景虎には醜く退場して貰うつもりなので、お楽しみに! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - 雨傘さん» コメントありがとうございます!じょ、女装?!でも顔は普通に男前なので、似合ってしまいそうなのが更に腹立たしいところですね....!! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 更新頑張って下さい!そして景虎さんに悪の撤退を! (2020年3月14日 16時) (レス) id: de479982fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シレア | 作成日時:2019年7月22日 22時

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