白雪さんちの天使

ハグ［大介side］ ページ16

康二｢大ちゃん…｣


大介｢およよ…なんか元気ないねー？｣




とある日の朝。

しょんぼりした顔で俺の元へやってきた康二。

うちの大天使にこんな顔させたのは誰かなぁ。




康二｢ぼく…おにいちゃんになれるかなぁ。｣


大介｢康二？｣


康二｢おもらししてもーた……｣




あぁ…なるほど。

朝起きたらおもらししちゃってたのか。

そう言われてみればさっきたっちゃんがシーツと布団干してたってけな。


最近おもらしすることもめっきり無くなってたから相当ショックを受けているみたい。




大介｢康二、おいで？｣


康二｢ん…｣




そんな康二を俺は抱きしめる。




大介｢康二はきっとかっこいいお兄ちゃんになれるよ。｣


康二｢ほんまに？｣


大介｢そんな心配しなくても大丈夫だよ。｣


康二｢やって…こーちゃんはあまえんぼさんなんやろ？｣


大介｢おっと…？｣


康二｢あまえんぼさんのおとこのこはかっこよくないんやって…おともだちがゆーててん。｣




誰だ、うちの大天使にそんなこと言ったの。

甘えん坊さんの方がなぁ、ギャップがあるし絶対二割増くらいでかっこよくなるぞ。

アニヲタの俺が言うんだから間違いないっ！


…じゃなくて…




大介｢でも俺はあまえんぼさんの康二大好きだよ。｣


康二｢こーちゃんな、かっこよくなりたい！｣


大介｢かっこよくって…誰かいるの？かっこいい人。｣


康二｢んーとなぁ、しょーちゃんっ！｣




あー…なるほど。

康二は翔太が大好きだもんな。

今の康二は恐らくだよ？

この世で1番かっこいい人が翔太だと思ってるよ。

悔しい…けど翔太は確かにかっこいい。

中身は康二と同じ5歳児だけど。

それは康二のために黙っておこう。


でも翔太の今までの歴史は兄であるこの俺がよく知っているのだ！

へへ、ちょっとだけ康二に教えちゃおっと。

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