俺の胸倉を掴んでくれ (ページ5)

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side 黄

「ふっかはすげえよ。」

「ん？そうか？」

「俺にはエネルギーがねえ。笑」

ほんと。俺が仮にAを好きだったとして、自分のものにしてやろうって気持ちだけが空回りして、HPがすぐ底を尽きるな。
それぐらいAは手強い女な気がする。

「ははっ。照はわかってねーなあ。」

「エネルギーがなくならないように足すんだよ。」

「どうやって？」

「Aの不意を突いて。ちょっとでも素のAが見れたらそれが俺のエネルギーになんの。」

まあふっかにとったらそれがエネルギーになんのかもしんねえけど。
でもそんなこと出来ないのが問題なんじゃねえのか？

「俺が冷蔵庫に冷やしといてって言った時のAの顔見た？」

「見たよ。」

「覚えてる？」

そりゃ覚えてる。いや、忘れるぐらい普通の顔だった。

「覚えてるってか別にいつもと変わんねえじゃん。」

「ははっ。照見落としてるよ。」

「何を？」

「一瞬目が動いたんだよ。」

そうか？俺には分かんなかったけど。

「よく見てんな。笑」

「当然。」

得意気なふっかは、さっきのことを思い出してんのかニヤニヤし出した。

お前、…いやお前ら、マジですげえな。

…