俺の胸倉を掴んでくれ (ページ2)

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side 黄

ふっかは俺の一個上で中学からの友達。お互い居心地が良くて、大学も就職先も別々だったけどずっと付き合いは途切れなかった。

そんなふっかにある時 ” いい物件ねえかな～ ” と相談されてここを紹介したんだけど…

……それが間違いだったのかもしんねえな。

いや、…正解だったのか？

ふっかはしょっちゅうAの部屋に入り浸ってる。
俺もふっかもAもカレンダー通りの出勤だから、当然休みも被るわけだ。
それに困ったAから時々SOSが届く。

……………今日みたいに。

【照くん今日予定ある？】

【ないよ】

【ふっかさんお願いしてもいい？】

【了解】

これが数十分前のやり取り。俺はふっかを引き剥がしに来た。

「ねえAちゃん。これからどこ行くの？」

『んー？』

Aは淡々とアイスを食べながら、自分の肩に顎を乗せようとするふっかを優しく遇らう。

『照くん、いつもごめんね。』

振り返ったAは柔らかい笑顔に柔らかい声。Aは誰にでも分け隔てなく優しい。

「別にいいよ。慣れてる。笑

それよりこのあと出かけんの？」

『うん。友達に誘われたから飲みに行ってくる。』

「そっか。ふっか預かるから楽しんでこいよ。」

『ありがとう。』

…