第23話 ある女の記憶 ページ25
「ポートマフィア？」
初めて耳にした単語に首をかしげ、拷問部隊の一員である又従兄に尋ねる。
「それにしても、情報を引っ張り出すのに時間かかったな。あたしが捕まえて、４ヵ月は経ってるぞ。担当は、いのいちさんだろ？」
「Aの呪術が強力なんだよ。脳と喉を自動的に刺激して、何も喋れず、考えられなくなる程だ。貴様が敵だったらと考えると恐ろしいぜ」
「お褒め頂き、光栄でございます」
「誰も褒めちゃいねぇよ」
細工が施されている鏡の向こうで、大人しく捕縛されている女性の姿を
「普通、親に呪術かけるか？」
「木の葉を追放された輩が、身内だと考えたくないんでね。子を売買するなんて、
生まれてから、一度も母親から愛情を受けた事がない。子供の希望を叶えてくれたのは、いつも父だけだから、６年前の出来事が起こっても、たいして驚かなかった。
「…他に判った事は？」
「いのいちさんが判っている」
「了解」
報告書は、既に火影の手に渡っているため、下忍が、それを読むどころか入手できるはずがないと判断し、彼に背を向け、いのいちさんに会いに行く事にした。
花屋と併設している家を尋ねてみれば、金の長髪をなびかせた幼女が、ひょっこり出て来た。
「こんにちは、いの。いのいちさん、いる？」
「うん。お父さーん。Aさん、きたよー」
２階から声が聞こえ、
「お休みの所、お邪魔してすみません」
「いや、いいよ。結果を聞きに来たんだろう？」
「はい」
愛娘に『二階で遊んでいなさい』と告げ、それに従う様子に、『嗚呼。自分にも、こんな場面があったな』と思い出し、微笑んでしまう。彼女には、有名店のスイーツと和菓子を手土産を渡し、互いに抱き締め合って別れた後、居間に通され、緑茶を出される。
「さて、何処から話そうか…」
彼が真剣な顔で逡巡し始め、話し始めるのを、正座し、じっと待つ。やがて、一度うなずき、口を開いた。
「彼女は、20年前、ポートマフィアと呼ばれている犯罪組織の残虐な幹部だった。しかし、とある任務で瀕死中に、紅い月光を浴び、
彼の説明を聞き、残虐な性格が受け継がれていると思うと、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エミリア | 作成日時：2017年1月9日 23時
