第60話 叔父の過去 ページ13
「
男の首根っこを引っ掴んだまま、俺は、一族に対して淡々と告げる。
「『埼玉の神崎一族は、医者としてポートマフィアに仕え、千葉の神崎一族は、異能の加護を課す。期限は、神崎Aが嫁いだ日から数えて50年とする。
「わかりました」
この場に居る男の子供達は、事の
「A。
「わかった。お父様。爺やから、例の物を預かっていますか?」
「ああ」
Aは、長机の隅に置いてあったディスク2枚を受け取り、動揺する男の眼前に突き出す。
「お前は、これに見覚えがあるはずだ」
「そ、そんな物知らん!」
男の右手を取る事無く、右肩から指先にかけて、重力で痛いと思う程度に圧迫する。悲鳴じみた声が上がるのを殴って黙らせた拍子に、折れた歯が口から
「じゃあ、別の話をしようか。『
それから、あの軍研究施設で行われた、俺とは別の実験の
異能の加護を受けた者を相手にするのは、研究員にとって未知の類で、こぞって様々な薬品を投与した。その中には、女の子としての機能がなくなってしまう物もあったが、それすらも加護によって人体に影響は出ず、綺麗に体外に排出されたため、彼らは粗悪な物にまで手を出し始める。しかし、それだけでは飽き足らず、髪を切り、涙と血液を採取し、暴力を振るって怪我を負わせ、治癒能力も試した。
「研究員達は、4歳の子が投薬の影響で
「だが、アンタはどうやっても死なない。鳳凰様と朱雀様に愛されているからな」
「それを知った上で、大叔母様家族と誘拐犯。双方と手を組み、自分達のチームの研究材料として、姪を差し出した。どれほどの加護を受けているか知りたいという、探求心のためだけにな」
男は、顔を歪めて云う。
「心身が壊れていく様を見たかったが、3年経っても青灰色の瞳に絶望は浮かばなかったし、職場は、中華街に出掛けた夜に跡形も無くなった。俺の人生は終わりだと思ったよ」
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エミリア1415(プロフ) - 薫染-ゆきせ-さん» 薫染ゆきせさん、コメントと応援。ご指摘ありがとうございます。意味を間違えて使っていました。教えて頂き、ありがとうございます。すぐに修正しますね。更新も頑張ります。 (2019年8月25日 21時) (レス) id: 82aefb6635 (このIDを非表示/違反報告)
薫染-ゆきせ-(プロフ) - 此れからも更新頑張って下さい!2枠続けてのコメント失礼しました。あと 言葉運びが意図的なものだったらすみません! (2019年8月25日 20時) (レス) id: e1459da1b7 (このIDを非表示/違反報告)
薫染-ゆきせ-(プロフ) - 何時も楽しく読ませて貰ってます!89話の中の台詞についてなんですけど…内容的に「満身創痍」ではなく「五体満足」の方があっていると思いますよ。あの台詞だと「全身傷だらけで良かった。」みたいな意味になってしまうので…可也 上から目線ですね。すみません (2019年8月25日 20時) (レス) id: e1459da1b7 (このIDを非表示/違反報告)
エミリア1415(プロフ) - 銀桜さん、コメントありがとうございます。少しでも話を進められるように、更新頑張りますね。 (2019年8月22日 17時) (レス) id: 82aefb6635 (このIDを非表示/違反報告)
銀桜(プロフ) - あぁ、夢主ちゃんと大我くんが元に戻って良かったです。更新頑張ってください! (2019年8月22日 17時) (レス) id: 1194b2a018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エミリア | 作成日時:2019年6月30日 13時