第13話 作戦会議 ページ15
「旦那さんに会えたんだね」
「ああ。うん」
ギルド戦を終えた二日後の昼下がりに、同じ社員寮に住むAちゃんを訪ねた。書類片手に、重い足取りでダイニングキッチンに促され、そこに腰掛ける。
「明日締め切りの、温泉旅行と称した里帰りを主催するけど、そこにリンの都合が良ければ、参加してもらう」
「どうして? 私は、木の葉で死人の扱いよ。それに、向こうに行く事が禁忌だわ」
「緊急事態なんだ。リンが居るか居ないかで、未来が大きく左右される。火の国の大名達と三代目。そして、熊本に居るミナト先生は、相当渋られたが、昨日、なんとか承諾して貰えた。一ヵ月前に作成した書類。走り書きで申し訳ないけど、読んでみて。それから判断して欲しい」
書類を手渡した彼女の瞳は真剣で、鬼気迫る雰囲気を感じ取り、それを受け取って、最初のページから順に読み進めていく。
しばらく経って、緑茶の心地よい香りが鼻腔をくすぐった。釣られて顔を上げれば、小さな盆に乗せられた茶菓子も、然り気無く添えられている。
「一休みする?」
「ううん、大丈夫。もう少しで読破するから」
「了解」
事態は、極めて深刻だった。
Aちゃんは、鳳凰様を師とし、神通力を得るため、16歳の時に修行をした。その中で、オビトのチャクラを感知し、夢を通して、記憶を読み取る事に成功。かつての戦友が存命だと知り、神通力会得後、この仮説を立てた模様。要約するなら、こうだ。
敵の手によって、三尾を封印された私、のはらリンは、敵とカカシが放った千鳥の間に割り込み、自害した。
それを目撃したオビトは、私を失ったショックから、自暴自棄になり、私が居る世界を造る事を決意。終末の谷で亡くなったを思われていた、年老いた状態のうちはマダラの世界征服の提案に、賛同した後、彼の名を借り、現在も暗躍している。
ここから先は、集めた情報から状況整理し、将来、起こりうる事態を予測していた。
このままでは、十年後に、第四次忍界大戦が勃発。尾獣の元となった十尾や、木の実を食べて、チャクラを得た大筒木カグヤが復活する。
読破後、緑茶を一口飲んでみた。
「…心代わりするかな?」
「して貰わなければならない。今のオビトの瞳力なら、眼前に居る人物が、本人か偽者か。告げる言葉が、嘘か真か判断できる。これは、一種の賭けだ」
「オビトを信じるわ」
「あたしもだよ。その時の編成は――」
一週間後、かつてのミナト班が復活する事になる。
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エミリア1415(プロフ) - にゃんこさん。コメントありがとうございます。魅力的に書けるように頑張ります。 (2021年1月15日 15時) (レス) id: 82aefb6635 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - 芥川大好き。龍チャン愛してる。 (2021年1月15日 13時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
エミリア1415(プロフ) - 白狐さん» 白狐さん、コメントありがとうございます。更新できるように精進しますね (2018年12月16日 17時) (レス) id: c808353d76 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - あー、最高。全てが好き。更新頑張ってください。僕の為にも((( (2018年12月13日 23時) (レス) id: b607d0f086 (このIDを非表示/違反報告)
エミリア1415(プロフ) - ありがとうございます。頑張りますね。 (2017年4月9日 15時) (レス) id: 738ed6759e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エミリア | 作成日時:2017年3月12日 22時