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✼ ✼ ✼
「きんとき」
するとちょうどいいタイミングで声がかかる。
ひょいと顔を出したのは愛しい彼女だった。
恐らく様子を伺っていたのだろう。
Aは周りの人と少し挨拶を交わすと、お弁当の包を片手に寄ってきた。
「きんときのとお弁当間違えちゃったみたい。はい、これ」
「うん、ありがとう。届けに行こうか迷ってたんだ」
そのやり取りに周りが少しざわついたのがわかった。
え！付き合ってるの？とか、きんときの彼女ってAさんだったのか、とか。
……あぁ遠目でショック受けてる男性社員。
お前は後で話しを聞かせてもらおうか。
目の前にいた佐々木さんもえ！？と俺とAの顔を見比べている。
と、そこでAが佐々木さんを見て目を見開いた。
「え？佐々木さんだったの？昨日きんときにお弁当渡したの」
「知り合い？」
「隣の部署だから顔見知りだし、業務上話したこともあるにはあるね」
その声は決して大きくはない。
けれど、今はここに注目が集まっていて。
恋人がいると公言している俺にお弁当を渡したことがばれたからか。
佐々木さんは少し目線を彷徨わせて、それじゃあと去っていった。
その後姿を見送ってAが拍子抜けだと嘆息する。
「なんだ。もっとバトルになるかと思ってたのに」
「えぇ？」
案外好戦的な彼女に苦笑するしかない。
まぁ、そんなところも好きな訳なんだけど。
俺は広げていたAの分のお弁当をさっと包んで、彼女が持っている弁当と共に両手に抱えた。
「せっかくだし、お昼一緒に食べようよ。暖かいし、テラスでどう？」
「いいね、行こうか」
機嫌よく笑うAの隣を歩く。
これでもう、彼女が恋人だと言っても良くなったと思うと、それはそれで気が楽だ。
彼女を狙う男どもも減ることだろう。
それでも未だに彼女に視線を向ける男達をチェックしながら、今日のお弁当の中身に思いを馳せる。
お昼ぐらいは好きなものを、と作ってくれている分、夕飯にはあまり好きでない野菜も食べなきゃな。
なんて、そんな幸せで贅沢な悩みを考えながら。
end.
✼ ✼ ✼
ご覧になっている方で佐々木さんがいらっしゃったら申し訳ない。
こっそり伝えていただけば、名前変えます。
普段はそういうことがあるので、あまり名前をつけないのですが、なんか今回は佐々木さんだった……(謎
作者のひとりごと。��
しらたま。
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しらたま。(プロフ) - 玲さん» ありがとうございます✨ (12月30日 0時) (
レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - お仕事お疲れ様です (12月29日 23時) (レス) @page50 id: db3c5f0a70 (このIDを非表示/違反報告)
しらたま。(プロフ) - なすかまさん» いつもご丁寧にコメくださりありがとうございます！とても嬉しいです^^ やはり皆様の反応は気になりますのでこうしてご感想頂けるのはとてもありがたいです。モチベになります！気ままに頑張りますので、今後もよろしくお願いします!! (11月29日 22時) (レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
なすかま - 遅くなりましたが、８冊目、おめでとうございます！そして私は幸せです、、、なんといっても、brさんの誕生祭にこんなドキドキキュンキュンするものが読めるなんて、、、。幸せ以外のなにものでもありません！お忙しいとは思いますが、頑張ってください！ (11月29日 21時) (レス) id: 257f27a87a (このIDを非表示/違反報告)
しらたま。(プロフ) - すみれいんさん» コメありがとうございます！バース書いたらすみれいんさんがいらっしゃるかなと思ってました笑 Ωよりこっちの方がなんか病んでる人は多くなりそうです……はい^^; 誤字お目汚し失礼しました！全然そのままで大丈夫ですよ。ありがとうございます！！ (11月17日 22時) (レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたま。 | 作成日時：2023年11月16日 15時
