▽ ページ37
✼ ✼ ✼
「自分勝手してごめん……でも、なかむを、……手放してあげることはできない、」
別れるって言わないで
よく見えていたはずの顔が滲んでゆく。
感情がぐちゃぐちゃのままこぼれ落ちていく言葉は止められなくて。
乾いていた筈の涙が一緒に落ちていった。
酷い顔を見せたくなくて顔を隠そうとした手をなかむにどかされる。
上に覆いかぶさってきた彼が目元に口づけてきた。
「言わないよ。俺だってAのこと手放せないんだから」
反対の目にキスしてくると、その唇が額に、鼻に、頬に滑っていく。
「俺が謝ることは、ここまで追い詰めていたことだね。ごめん、自分のことで精いっぱいになっちゃって。Aのこと十分に気にかけてあげられなかった」
その切ない声にぶんぶんと精いっぱい首をふる。
今度こそはと唇にふれる感触が優しくて。
だるい身体に鞭打ってなんとか腕を持ち上げて彼の身体に手を回せば、ぎゅっと抱きしめられた。
「俺もAも花食みだから。分かってはいたけど、きっとまた不安になるし、それをぶつけ合うこともあると思う。けれどこれだけは約束する。離れたいとか、別れたいとかは思わないし言わないからさ」
「うん」
「俺と一緒にいる覚悟を決めて？俺も頑張るから」
「うん」
「だから、」
他の男に隙を見せないでよ
そう少し拗ねたように言う彼に、思わず抱きつく力を強くした。
好きだから、愛しているのだから、もう離れられないのだから。
あがいて、藻掻いて、苦しんで、涙しても、共にいる覚悟を決めよう。
そんな私のあなたを想う涙が花になる日が……
まぁ、もしかしたら来るかも知れない。
それはまた別のお話で＿＿＿
end.
✼ ✼ ✼
花食み×花食みでした。
後編の大半は大人の事情でかっとシーンだったので、思ったよりも短かった……
これ以上書くとだらだらしそうだったのでここで終わりです。
その他、設定や世界観などはこちらで↓
作者のひとりごと。��
スランプ気味……
気長にお待ち下さい。
感想コメやハートなど、応援頂けたら嬉しいです……。
しらたま。
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しらたま。(プロフ) - 玲さん» ありがとうございます✨ (12月30日 0時) (
レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - お仕事お疲れ様です (12月29日 23時) (レス) @page50 id: db3c5f0a70 (このIDを非表示/違反報告)
しらたま。(プロフ) - なすかまさん» いつもご丁寧にコメくださりありがとうございます！とても嬉しいです^^ やはり皆様の反応は気になりますのでこうしてご感想頂けるのはとてもありがたいです。モチベになります！気ままに頑張りますので、今後もよろしくお願いします!! (11月29日 22時) (レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
なすかま - 遅くなりましたが、８冊目、おめでとうございます！そして私は幸せです、、、なんといっても、brさんの誕生祭にこんなドキドキキュンキュンするものが読めるなんて、、、。幸せ以外のなにものでもありません！お忙しいとは思いますが、頑張ってください！ (11月29日 21時) (レス) id: 257f27a87a (このIDを非表示/違反報告)
しらたま。(プロフ) - すみれいんさん» コメありがとうございます！バース書いたらすみれいんさんがいらっしゃるかなと思ってました笑 Ωよりこっちの方がなんか病んでる人は多くなりそうです……はい^^; 誤字お目汚し失礼しました！全然そのままで大丈夫ですよ。ありがとうございます！！ (11月17日 22時) (レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたま。 | 作成日時：2023年11月16日 15時
