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「お、スマイル勉強?」

「なかむ……珍しいな」

「俺だって図書室ぐらい来るっての」



次の日、今日までは授業が無く半日なのを利用して図書室へとやってきていた。
流石にこんな新学期から利用しているやつはほぼいなく、よっぽどのもの好きと、学校探検にきた新入生くらいだった。

その、もの好きの分類に入った友人は俺を見ると迷うことなく寄ってきた。
明るく友人の多い彼は1年の時から仲が良かったが、授業以外で図書室で出くわしたのは初めてかも知れない。

ただその手にあるのが妖怪の本だったことに納得する。
そういえばこいつ怪奇現象とかオカルトとか、そういうの好きだったな。

大してなかむは俺が机に広げているものを見てきょとんと首を傾げた。



「え?それ卒業生のアルバム?」

「まぁ、ちょっとな……」



歯切れの悪い返事をしながら積み上げた卒業アルバムに手を添える。
この図書室の一角には過去の卒業アルバムがずらりと並んでおり、外への持ち出しはできないが誰でも閲覧できるようになっていた。



「ふ〜ん。知り合いでも探してるの」

「そんなところだな」



幽霊を知り合いと言っていいものなのか。
少し考えながらそう言えば、なかむは気にした様子無く手元の一冊を持ち上げてぱらぱらとめくった。

まぁ卒業生のアルバムなんて、兄弟とかそれこそ知り合いがいない限り見ることもないだろう。
……いや、いたところでわざわざ調べることもないだろうが。


それに、もし本当に知り合いならその人の卒業年度だけ見ればいいのであって。
俺みたいに何年分も見る必要はない。
きっと妙に感のいいなかむのことだから気づいているはずなのに、特にその事については何も言ってこなかった。




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しらたま。(プロフ) - おださん» おださん初めまして!コメありがとうございます!! 今回は特に高校生らしい純粋さ、真っ直ぐさ、大人への移り変わりみたいなのを意識しているので、そう言って頂けるのは非常に嬉しいです^^! 駆け足ではありますが、最後までもう少しお付き合い頂けたら幸いです🍀*゜ (3月8日 16時) (レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - (続き失礼します。) この先の結末が別れしかないからこそ言えなかったり、できなかったりすることもあるだろうに、全員で人のためを思って行動できる人をただそういう風に描けるしらたま。様の文体が、一層登場人物の純粋さを引き立たせていて大好きです。 (3月8日 16時) (レス) id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。純粋に真っ直ぐにお互いを思い合って、周りの友人もそんな二人を見守って全力で協力して、お互いを尊重し合っている関係と物語に切なくなります。→ (3月8日 16時) (レス) @page48 id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しらたま。 | 作成日時:2024年2月29日 20時

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