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『成仏ってこの世からあの世に行くってことだよね』
「まぁ……簡単に言えばそう考えられているな」
『そもそも記憶が無いから、何でここにいるかもわからないんだよね……』
「未練があるのか、はたまた別の理由があるのか、ってことか」
『そう。それにそもそもなんで死んだのかも分からないし』
彼女はお手上げ、と言わんばかりに胸の前で両手を小さく上げて首を降る。
……ちょっとこの感情表現が顔や手の動きに出るところはぶるーくに似ているかも知れない。
「その制服ってことは俺と同じ白尾高校の生徒だと思うが、ここ最近亡くなった在校生はいない。ということは卒業生かも知れないが……その姿の通りとは限らないかも知れない」
『あ〜この姿が生前の年齢と一致しているかわかんないってことね』
「何かしら高校時代に思いを残しているなら、それに合わせた姿をしている可能性はある」
『いつの時代かわからないし、苗字も分かんないしね……』
「ああ。調べるのに時間はかかるが、しょうがないな」
そう言うと再び彼女はえ？と驚いた様子でこちらを見てきた。
それになんだ、と首をかしげれば、Aは少し戸惑うように目線を彷徨わせる。
『調べて……くれるの？』
その問いかけに一瞬言葉に詰まる。
確かに。
当たり前のようにそのつもりでいたけれども。
なぜだかそれが気恥ずかしくて、思わず言い訳しようと口を開きかける。
が、彼女が不安そうにこちらを伺ってくるものだから。
それらの言葉は口を出る時には音を変えていた。
「まぁ、これも何かの縁だ」
そう言えば彼女はぱっと明るい笑顔になる。
『ありがとう！スマイル大好き！！』
「ェヘｯ！？……ぉまえ、なぁ……」
突然の言葉に心臓が止まりそうになる。
いくら何でも同じ年頃(に見える)の女子から面と向かってそんな事を言われたことはない。
けれど彼女は気にした様子無く、にこにこと笑っていて。
俺ははぁ、と大きくため息を吐くしかできなかった。
そういえば俺も最初からつい呼び捨てタメ口だったが。
……卒業生だったら年上ということになるが、今の見た目は同じぐらいだからその話は一旦置いておこうと思う。
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しらたま。(プロフ) - おださん» おださん初めまして！コメありがとうございます!! 今回は特に高校生らしい純粋さ、真っ直ぐさ、大人への移り変わりみたいなのを意識しているので、そう言って頂けるのは非常に嬉しいです^^！ 駆け足ではありますが、最後までもう少しお付き合い頂けたら幸いです🍀*゜ (3月8日 16時) (
レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - (続き失礼します。) この先の結末が別れしかないからこそ言えなかったり、できなかったりすることもあるだろうに、全員で人のためを思って行動できる人をただそういう風に描けるしらたま。様の文体が、一層登場人物の純粋さを引き立たせていて大好きです。 (3月8日 16時) (レス) id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。純粋に真っ直ぐにお互いを思い合って、周りの友人もそんな二人を見守って全力で協力して、お互いを尊重し合っている関係と物語に切なくなります。→ (3月8日 16時) (レス) @page48 id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたま。 | 作成日時：2024年2月29日 20時
