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差し出されたいつもの筆談用のノートを前にうーんと悩む。
皆は私のペンが動かないかじっと見ていて。
その様子にスマイルが声をかけてきた。
「まぁ、あんまり大きいこと言いにくいなら小さいことから書けば」
『小さいこと……』
「コンビニ行きたいとか」
それに皆が笑う。
その空間が楽しくて、愛しくて。
あ、と一つ思いついたことがあって、ペンを動かした。
【それなら、みんなとどこかに遊びに行きたいな。もちろん、ついて行くだけで良いんだけど】
「あ〜そういえば、結局スマイルの家からこの学校までの往復だけだもんな。土日も別に外出してないんだろ？スマイルのことだし」
「俺のことだしってなんだよなかむ。……まぁしてないけど」
よし、と1つ目はあっさりと決まった。
お誂え向きに明日からGW。
学生が遊ぶ時間はいくらでもある。
「Aちゃん、どこか行ってみたい場所とかある？」
『行きたい場所……』
ぶるーくの言葉に再び考え込む。
とはいえ、この辺に何があるかさっぱりわからないし。
【皆が遊ぶ時はどこに行くの？】
その文字に皆が顔を見合わせる。
それに今度はシャークんがそうだな、と腕を組んで呟いた。
「ゲーセン行って、カラオケ行ったりが定番か？そんで、ファミレスで飯食う」
「買い物行くときはバス乗って大型ショッピングモール行くときもあるな」
【なら、それがいい】
「え、そんなのでいいの？」
きょとんとした様子の皆に少し笑ってしまう。
【うん、そういうのが良い】
ゆっくりとそう書けば、皆も笑って分かったと頷いてくれた。
なかむがよし、と拳を突き上げる。
「じゃあ明後日、とりあえず駅前のゲーセンに10時に集合な！」
皆があれこれと私をどこに連れて行くか、何を見せるかと話し合ってくれている。
そんな中、いつの間にか横にスマイルが立っていた。
『スマイル、』
「なんだ？」
『楽しみだね』
そう言って笑えば、彼もふわりと微笑んでくれた。
「ああ、そうだな……」
ふとした予感が胸をよぎる。
その笑顔を見て、なぜか唐突に理解した。
私がこの笑顔を見ていられる時間は、そう長くないのだと。
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しらたま。(プロフ) - おださん» おださん初めまして！コメありがとうございます!! 今回は特に高校生らしい純粋さ、真っ直ぐさ、大人への移り変わりみたいなのを意識しているので、そう言って頂けるのは非常に嬉しいです^^！ 駆け足ではありますが、最後までもう少しお付き合い頂けたら幸いです🍀*゜ (3月8日 16時) (
レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - (続き失礼します。) この先の結末が別れしかないからこそ言えなかったり、できなかったりすることもあるだろうに、全員で人のためを思って行動できる人をただそういう風に描けるしらたま。様の文体が、一層登場人物の純粋さを引き立たせていて大好きです。 (3月8日 16時) (レス) id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。純粋に真っ直ぐにお互いを思い合って、周りの友人もそんな二人を見守って全力で協力して、お互いを尊重し合っている関係と物語に切なくなります。→ (3月8日 16時) (レス) @page48 id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたま。 | 作成日時：2024年2月29日 20時
