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「それで、その日からスマイルの家に夜は泊まっていると」
【うん】
あの雨の日からスマイルに促されるまま、夕方以降はお邪魔するようになってしまった。
家族がいる手前、基本的にはスマイルの部屋で大人しく本を読むのが日課となっている。
……本は持つことができて良かったよ。
その後はスマイルが、物置に使っている部屋を読書部屋にしたいと家族に言ってひとり掛けのソファを持ち込んでくれたので、そこで朝まで静かに過ごしている。
さすがに寝る時までいるのは申し訳ないからね。
スマイルの家は家族みんな読書家のようで、時間を潰すための読む本に困らないのは幸いだった。
その話をノートにつらつらと書けば、なかむがそれなら良かったと笑う。
「いくら幽霊といえどもAちゃんも女の子だからね。俺らも少し気にはなってたとはいえ、俺ら皆男だし……妥協案が見つかったなら良かったよ」
【心配してくれてありがとう】
皆、本当に優しい人たちばかりだ。
放課後、皆を待っている教室には見た目、なかむ一人きりだ。
私が書く字を机に頬杖をつきながら見ていたなかむは、私がいるだろう場所に目を彷徨わせながらにやりと笑った。
「好きな人の家でどきどきしちゃう？」
なかむとは何回か恋バナで盛り上がっており、それこそ私も隠すことをしていないから想いは筒抜けである。
私はその問いに戸惑いながらも、素直な気持ちを書き綴る。
【そりゃあするけど、】
「けど？」
【これ以上どうこうなることはないし】
だって結局、私は幽霊で、あの人は生きているのだ。
皆と共に、この時間を。
【これが未練になっちゃわないように、気をつけないとなって】
文字にして、ぱたりと手が止まる。
それは初めて外へ吐露した思いだった。
スマイルは私が悪い霊になることを心配して、成仏させようとしてくれている。
それなのに、私が現世に未練を残してはいけないと思うのだ。
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しらたま。(プロフ) - おださん» おださん初めまして！コメありがとうございます!! 今回は特に高校生らしい純粋さ、真っ直ぐさ、大人への移り変わりみたいなのを意識しているので、そう言って頂けるのは非常に嬉しいです^^！ 駆け足ではありますが、最後までもう少しお付き合い頂けたら幸いです🍀*゜ (3月8日 16時) (
レス) id: a02f9236c1 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - (続き失礼します。) この先の結末が別れしかないからこそ言えなかったり、できなかったりすることもあるだろうに、全員で人のためを思って行動できる人をただそういう風に描けるしらたま。様の文体が、一層登場人物の純粋さを引き立たせていて大好きです。 (3月8日 16時) (レス) id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
おだ(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。純粋に真っ直ぐにお互いを思い合って、周りの友人もそんな二人を見守って全力で協力して、お互いを尊重し合っている関係と物語に切なくなります。→ (3月8日 16時) (レス) @page48 id: dd244e2324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたま。 | 作成日時：2024年2月29日 20時
